トレードでの「平常心」の大切さ
昔、江戸時代に、徳川家に仕え活躍したとされる、剣の名手、柳生宗炬(やぎゅうむねのり)という人がいました。この柳生宗炬が残した「兵法家伝書」の中に、「此れ平常心をもって一切の事をなす人、是を名人と云う也」という文章があります。
剣を極めることは、禅に通じるとされますが、この「平常心」こそは、武士道にて肝要な要素とされます。尚、柳生宗炬は、この「平常心」を「不動智」と言ったそうです。「不動智」とは、心を四方八方に自由に動かしながら、しかも一つの物、一つの事には決してとらわれないことです。
何かを見て心がとらわれると。様々な雑念がわいてくる。心の中で、あれこれ迷いだすのです。このように、何かにとらわれていると、心を自由に動かそうとしても動かないということ。自由に心を動かすことが出来なくなるのです。
相手が刀を振り上げて切りかかってくる時に、「あっ、きたっ!」と身構えたなら、相手の刀の動きが気になり、自分は自由に動くことが出来ずに切られてしまう。そこで、打ち込んでくる刀を見ても、どう受けようか、どう切りかえそうかと思慮分別せず、ただ無心に相手の刀に応じたなら、切りかかってきた刀を奪って相手を切ることも出来るということなのでしょう。
自分の刀の動きが気にかかれば、自分の刀に心をとらわれ、打ち込むタイミングが気にかかれば、それに心がとらわれるようです。からだの力をぬいて、心も空っぽにすること、これが剣の極意ということのようです。
相手が刀を振りかざして切りかかってくる時に、相手の刀に気をとられ過ぎていると、自分が自由に動けなくなるように、何かを見て心がとらわれると、雑念が湧き、その結果、心に迷いが生じます。雑念を振り払い、自分の心を空っぽにする感覚があってはじめて自分も自由に動けるということなのでしょう。
そう言えば、酒田五法で有名な本間宗久翁は、禅を極め、精神修業を行ったと言われています。相場の世界は、まさに波乱万丈であり、一寸先は闇と言っても過言ではありません。
そんな中にあって、「平常心」を保ちながら、沈着冷静に相場を客観的に判断出来るように自分の精神をコントロールすることが如何に大切なことか、相場の世界に生きている人間であれば誰もが痛感していることです。
ただ、柳生宗炬が「平常心」を持って一切の事をなす人のことを「名人」と言ったように、この「平常心」をキープすることが如何に難しいことであるかが、どうも現実のようです。さすがに現代においては、剣の修業は難しいですが、禅などの修業で、「平常心」を練磨することが出来れば、相場を極める上で大いに役に立ちそうです。
もっとも、禅とて、そう簡単なことではなさそうです。そこで「瞑想」などを通じて、精神修業を積むのも良いのではないかと思案しています。何せ、為替相場は1日中動いています。それだけに「集中力」をどこまで持続させるかも重要であり、何ともはや、厳しい試練を要求される仕事であると痛感します。
ところで、あの宮本武蔵も以下のように平常心について語っているようです。
「常に敷居の上を歩む如し」。これは、部屋の中だけではありません。例えば、突風が吹きぬける二十階建てのビルとビルの間に架かっている、幅15センチの丸太の上でも平気で歩けるということです。
さらに、以下のことも言っています。世の中で、見たり、聞こえたりしてくる瑣末な言葉を一々気にとめて聞いていてはストレスが溜まるばかりです。そこで、「聞こえても、気にしない。」「眼の力を養うには、常に眼を閉じておけ。」「耳の力を養うには、常に聞くことを避けよ。」「こころの力を養うには、常に沈黙していることが一番だ。」「健全な心に、頑強な身体が宿る」等々。どれもこれも、相場、そして実生活につながる箴言ばかりです。
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