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マーフィーの日々是好日

トレードの三大要素

「トレードの三大要素」と言えるものがあります。

1)予測=先行き高いか安いかを分析、予測する
2)技術=売買の具体的なやり方
3)管理=ポジション(建て玉)と資金の管理

結論から言うと、(1)の「予測」は困難であり、難しいものです。(3)の「管理」はパソコン等を用いて簡単に数値管理を行うことは出来るものの、「心の問題」に帰結する面が多く、精神面の管理が重要となります。と言うわけで、(2)の「技術」が大きなウェイトを占めると私は考えます。

尚、一部では、「管理」が殊のほか重要であるとも言われています。実際問題、大手ヘッジファンドなどでのトレーダー研修でも、「資金管理」の重要性が強調されているのもうなずけます。もっとも、私が思うに、この「資金管理」は、「技術」に負う部分が多いです。管理そのものの基準が、「技術」の中に大いに含まれているからです。

むしろ気をつけないといけないのは、資金管理を行うと言っても、「机上の空論」に成り下がっている部分も多分に見受けられるという点です。いくら、綺麗ごとを言っても、所詮は、机上での話ということが多いと、まったく実践とは程遠いと言わざるを得ないわけです。私自身、トレーダー時代を振り返っても、資金管理は、あくまで、自分が自主的に行っていた部分が大きいです。つまり、資金管理、ポジション管理は、「バックオフィス」(ディーリングルームを事務的に支える部署)の仕事であったというが現実です。

確かに少し考えてみると、(2)の「技術」があれば、相場予測もある程度は可能となります。大した根拠に基づかない「相場予想」と違って、確固たる具体的な判断基準に基づく「相場予測」であれば、価値があります。そして、「技術」があれば、ポジション管理、資金管理のベースが出来上がります。つまり、管理する上の計測方法が出来上がります。「技術」があれば、相場の強弱(モメンタム)、トレンド性が分かるわけから、それに応じたポジション管理が出来るわけです。

とどのつまり、「技術」があれば、「相場予測」は可能となり、「管理」も実現します。「相場判断技術」「トレード技術」さえ持っていれば、かなりの程度は解決するわけです。早い話が、相場予測が正しかろうと間違っていようと、また、管理が上手く出来ようと出来まいと、技術、つまりは、具体的な売買の方法をしっかり行うかぎり、ネット収益(利益−損失)が右肩上がりに増えていくということです。

ところで、私は、「技術」つまりは「トレード技術」を最重視しているものの、それを運営する人間の心の問題を軽視しているわけではありません。幾ら、優れた「技術」を持ち合わせていても、それを使う人間の心の状態が不安定であれば、やはり、結果は思わしくないからです。その意味で、「メンタルマネジメント」も、相場における大きな要素となります。

いずれにせよ、人間は、自分に出来ることしか出来ないものです。ですから、自分と言う人間を知り、自分は一体、何が出来るのかを自問自答しながら、自分という人間を管理していく感覚、実践トレードを行っていくスタンスなり心構えが大事です。自分を管理することは、つまりは、自分のメンタル面の管理ということになるわけですから、このメンタルマネジメントは極めて重要な側面となります。

そして、「技術」、すなわち、私がいつも言うところの「トレード技術」をしっかりと学び、メンタル面も管理しながら、実践で慣れてくる段階で、「ただ信じること」が大切となってきます。自分がやろうとしていること、自分が学ぼうとしている「技術」を信頼し、信じることです。そのことで、自分の心も平穏になり、自信を持ってトレード出来るようになるからです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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