トレードにおける心の管理(2)
本来、相場は四六時中いつでもエントリーして良いものではありません。たとえば、トレンドのある相場では、収益性は高く、リスクに対するリターンは大きなものになります。
日本に住み私たちにとって主な対象となる東京外国為替市場は、残念ながら、比較的マーケットの動意が薄い時間帯です。従って、どうしても、東京時間夜、つまり、欧米市場を待ってトレードすることが多くなります。もちろん、このこと自体は、日中に仕事をしている一般的な会社員にとっては有利なことかもしれません。
いずれにしても、相場は、「入るべきタイミング」そして、「出るべきタイミング」というものがあるわけです。そのタイミングまで待てるかどうか、つまりは、「忍耐力」が試されるわけです。特に、比較的、エントリーについては、収益を上げようと焦ったり、せっかちな方も多いせいか、ポジションをすぐに持ちたがる方は多いようです。
しかしながら、どこで出るか(手仕舞)について、しかるべき判断基準を持たずにエントリーしてしまう人が多いのが実情です。つまりは、正しい「トレード技術」を持たず、また、充分な訓練を受けずにエントリーしてしまうわけです。これは、最悪です。
運よく、自分の思惑通りに相場が動けば利食いのチャンス到来とばかりに、すぐに利食いを入れてしまいます。本来、利が乗っている場合は、その利益をどこまで伸ばすかは大きなテーマです。その為にも、出口(手仕舞)のタイミングをしっかりと待つ「忍耐力」が重要になってくるわけです。
一方、自分の思惑と違った展開となると、出口(手仕舞)の判断基準が明確でないと、ずるずるとそのまま持ったままとなってしまいます。そして、「フラストレーション・トレランス(欲求不満に耐える能力)」が低下しているケースが多いだけに、さらに判断能力は下がってしまう状態に陥ってしまいます。
さらに悪いことに、マーケットのせいにしてしまったりして、自分を見つめることは出来なくなってしまうのです。もはや、自分の心、ここにあらずの状態と言って良いでしょう。こうなると、ただでさえストレスの溜まるマーケットを相手に、冷静な判断など出来るわけはありません。
ましてや、元々、相場は簡単に儲かるものだという誤った認識があるものですから、余計にフラストレーションが溜まりやすくなっています。せめて、相場は本来難しいものだという理解があれば、少しでも活路を見出そうと、1つでも、2つでも、努力して、その過程に意義を見いだせるのですが、簡単に儲かるはずだという思いがいるだけに、一向に前に進まないわけです。
資金面では、一向に前に進まないどころか、次第に減少していきます。これでは、リスクばかりが大きくてリターンの割合の少ないトレードしか出来ないことになってしまいます。
忍耐強く「トレード技術」を学ぶ姿勢、そして、やはり、相場にて忍耐強く、入口と出口のタイミングを待つ姿勢が如何に大事かということがお分かり頂けると思います。
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