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マーフィーの日々是好日

トレードとは本来退屈なもの。。。

今回は、トレードとは本来は退屈なものだということをお話します。

また、「いきなり何を書くんだ!」と言う声が聞こえてきそうです。確かに、「退屈」と言う表現は語弊があるかもしれません。もう少し別の表現をすると、トレードとは、めりはりをつけなくてはならないということ、もしくは、トレードとはタイミングが大事であるということです。

ただ、このように月並みな表現をすると真意が伝わらないのではないかと思います。と言うわけで、やはり、「トレードとは普段は退屈なものだ」と認識するところから、スタートした方が分かりやすいと考えます。

実は、有料サービスの一環である「コーチング掲示板」にて、毎日のように、個人投資家の会員様と質疑応答をやり取りしていると、ありがたいことに、実に様々な経験をさせて頂けます。

このやり取りを通じて、感じることの1つが、個人投資家の多くの皆様は、相場があまり動いていない、膠着相場の時に、無理に入ろうしているケースが目立つことです。

相場とは、トレンドのある時とトレンドのない時があります。より現実に即して言うと、トレンド性の高い時と、トレンド性の低い時があります。多くの個人投資家の皆様は、トレンドのない時、トレンド性の低い時に、無理してトレードしようとしているケースが多いようです。

そして、その結果でもありますが、肝心の、トレンドのある時、トレンド性の高い時に、指をくわえて相場を見ているか、逆向きのポジションを持ってうんうんと唸っているケースが多いということです。これは、かなり由々しき問題であると思います。

そもそも、至極当たり前のことなのですが、皆様がチャート画面をご覧になっている時、画面ウィンドーの上限から下限にかけてチャートが収まるようになっているはずです。すなわち、その画面に映し出されている時の相場の動きに応じて、スケール、価格が変化するということです。価格が大幅に変動している時も、小幅に変動している時も、チャート画面を見るだけでは、判断が難しいということです。

このことは、ちょっと想像して頂くだけで分かることかと思います。手作業で方眼紙にチャートを書くと一目瞭然なのですが、相場の動きは、実際に自分の手で書かないと変動率が高いか低いかは分かりにくいようです。それでも、少し意識してチャートを眺めておくだけで、相場変動の状況などが、分かると思います。

いずれにしても、大事なことは、相場とは、動き出した時、もしくは動いている時に、相場に入ることです。ですから、普段、特に、東京時間中など、あまり動いていない時は、あれこれ悩んで無理に手を出してしまって、うんうんと唸っている状況は避けたいということです。


■ところで、私のスパンモデル、スーパーボリンジャーは、終値で判断するケースが大半です。日足ならNY終値時点、60分足なら60分足終値時点で判断します。5分足でも同じく、5分足終値時点で判断します。

「引けで判断する」ことの意味は、この終値時点で判断すると言うことを指します。こんなことをいまさらと思ったのですが、実は、この基本的なことを未だご理解頂いていない方も多く見られるということです。このように、終値で判断するということは、終値が確定するまでの時間は、原則として、相場がどの位置にいても判断は終値時点まで持ち越されるということです。

この点に関して、スパンモデル、スーパーボリンジャーに関してよくある「誤解」は、焦ってしまって、ザラ場で判断をされる方が多いことです。例えば、プラス1シグマラインを上回って引けた、もしくは下回って引けたという時、当然のことながら、「引け」で判断するわけですから終値を待たねばなりません。

仮に60分足の場合は、60分足終値を待たねば分からないわけです。この60分間の間のリスクを取る必要があるわけですが、それが嫌なら、別の方法を考えねばなりません。例えば、5分足や1分足をベースにトレードすることです。

従って、やはり、終値で判断する以上、基本的には、四六時中、マーケットの価格を眺めているということは必要ないことになります。言い換えると、終値が確定するまでの間は、リスクの範囲は、限定出来ないことになります。

相場でポジションを持つ以上、そして、スパンモデル、スーパーボリンジャーで取引を行う以上は、このリスクを前提条件として、考えておく必要があるともいます。このリスクを前提として許容できないとなると、それこそ、スキャルピングでしか、トレード出来ないことになります。

スキャルピングは、数ピップスから10ピップス程度の値幅を狙いにいくトレード方法ですから、終値を待って判断する必要はないです。従って、スキャルピングをされたい方には、スパンモデル、スーパーボリンジャーは相応しくないトレード技術かもしれません。


■話は元に戻りますが、FXの経験は長い、勉強もしている、しかしながら、収益をコンスタントに上げることが出来ない人の特徴は、四六時中、マーケット価格をチェックし続けていることです。自分なりの「トレードルール」が構築出来た人というのは、あまりジタバタしません。

皆様は、世界中のプロのトレーダー達と同じ「土俵」にて、相場と会い向かっていらっしゃるわけです。プロであろうがアマであろうが、何のハンディキャップも与えられません。損切り(ロスカット)が「受け身」に例えられる柔道の世界では、体重別に試合を行うわけですが、この相場の世界ではクラス分けなど存在しないのです。

実に公平な世界ですが、それだけに、極めて過酷な世界です。プロのトレーダー達は組織に属していますので、厳格な「ロスカットルール」が決められます。ある決まった内部規定を順守しなければ、場合によっては即刻クビとなりますので、雇われトレーダー達は必死です。ここでお伝えしたいことは、トレーダーたるものはトレーダーになる為の研修なりを程度の差こそあれ、受けていることです。

「ルール」の大切さを徹底的に叩き込まれることもあるわけです。それでいても、トレーダーの淘汰は激しく、成績次第でどんどん配置転換やクビとなっていくのが実情です。

とにかく「結果がすべて」と言ってしまえばそれまでですが、結果を追い求め過ぎる姿勢そのものがトレードでは失敗を招くことも多いにあります。方向感なく、トレンド性の低い相場にて、無理してポジションを張ったり、当初のプランとは違うポジションを持ったり、損失につながる失敗をやってしまうのが、「追い込まれたトレーダー」には多いのです。

その点、皆様の場合は、ここぞと言う時にだけポジションを張れば良いわけです。あまり動いていない相場、トレンドがなく、方向感のない相場で、下手に手を出して、余計なリスクを取る必要などないと思います。

トレードだけで「ご飯を食べている」プロの方はそうは言っておれませんが、逆にそう言った、個人のプロのトレーダーの方こそ、余計な時は手を出すべきではないということです。

皆様は、ぜひ、ご自分のトレードスタイルを構築することはもちろんですが、毎日のトレード戦略についても、シナリオなり、プランを事前に立てて、その中で、自分のスタイルをしっかりと守っていくように努めれば、結果は自然とついてくるはずです。

いつも、四六時中、ポジションを持ちたがるのは、いわゆる「ポジポジ病」です。「トレードとは本来は退屈なものだ」という意味は、一旦、自分の方針なりを決めた後は、そのチャンスが訪れるまでは、我慢すること、何か行動を起こすべきだというタイミングが現れるまでは何もしないということです。従って、チャンスが訪れるまで我慢することも鍛錬の1つだと考えることが大切だと言うことです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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