相場が高いか安いかについて
今日は、「相場は高いのか、安いのか」という命題についてお話してみたいと思います。
為替にしろ、株式にしろ、相場の価格とは、その価格が「どの時点のものか」によって大いに意味が異なるという点を十分に理解しておく必要があります。どういうことか、具体例として、ここではドル円相場を取り上げてご説明してみましょう。
例えば、1ドル=115円の時にドルを買った人は、1ドル=120円の時点では、ドルが「高い、上がった」と感じます。
一方で、1ドル=125円の時にドルを買った人は、1ドル=120円の時点では、ドルが「安い、下がった」と感じます。
すなわち、同じ1ドル=120円のドル円レートが人によって違って見えるわけです。
別の見地から解説してみましょう。
1ドル=122円前後のコストでドルの買いポジションを持っていた人は、1ドル=120円、118円、116円と下がっていくにつれて、ドルがドンドン安くなっていくと感じます。そして、1ドル=115円や110円のドルは、とてつもなく安くなったと感じるわけです。
ところが、相場が落ち着き、次第に現在のレートに対して目が慣れてくる中で、相場が上昇し、1ドル=115円程度のレートを見ると、それほど安いと感じなくなります。
同じように、1ドル=123円や125円にてトレードしていた人にとっては、120円でも十分に安く感じるわけですが、一旦、115円や110円の相場を見てしまった以上、1ドル=120円の相場が、自分が買うには安いどころか、高いとすら感じるわけです。その後、もし123円程度に上昇してくると、もはや買うには高過ぎるとまで感じてしまうのです。
そして、挙句の果てには、当初は買い場を探していたにもかかわらず、相場が高過ぎると判断してしまい、実際には売ってしまうという行為をしてしまうケースも出てくるのです。
上記のごとく、例えば、同じ1ドル=120円のレートが、自分が置かれた状況や、それまでの自分のトレードの経緯等々に従って、異なって見えてくるのです。さらに言い換えると、125円や123円から落ちてくる途上で出現する場合か、それとも、110円や115円から上昇する途上で出現する場合かによって、同じ1ドル=120円が実に異なって見えたり、感じたりするのです。
このように見てくると、私達人間の目、判断というのは、実に「いい加減」、「勝手なもの」であることがお分かり頂けると思います。つまりは、いずれも、人間の「エゴ」から生まれた判断基準であり、対象物そのものを客観的に判断することが出来ず、全ては自分中心の尺度でもって計られていることが分ります。
本来、相場の「価格」とは、その「価格」が出現する局面によって全く意味が異なるわけであり、「価格」を大きな相場の流れの中で把握してやる必要があります。従って、相場の流れ、言い換えると、トレンドを把握することがどれほど重要か、理解する必要があると言えましょう。
また、上記のことは、相場予想を価格だけでもって行うことの危険性も教えてくれます。いつの時点での価格なのか、ということは大きな判断材料であるわけです。相場を、大きな流れの中で捉えることが、如何に大切かと言う点をご理解して頂きたいと思います。
とにかく、価格そのものが高い、安いという判断は極めて危険です。ましてや、自分の持っているポジションのコストと比較して、高い、安いという判断は言語道断です。今目の前にある相場の価格は、「今の現時点」においてこそ判断されるべきなのです。「相場の現在性」が意味するものは、そういうことであるとご理解頂けると良いと思います。
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