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マーフィーの日々是好日

損切りの重要性を強調しすぎるのは逆効果!!

利益幅と損失幅はどの程度が良いのか聞かれると、恐らく多くの人は、利益幅が損失幅を上回るのが当然、とお答えになるかと思います。

利益は大きく、損失は小さく、すなわち、「利大損小」が理想のあるべきトレードの姿だと誰しも考えているはずです。

ただ、ここで問題とすべきは、大きな利益と小さな損失は、あくまで結果的にそうなれば良いということです。決して、利食いオーダーを離すこと、損切りオーダーを近づけることを意味するものではないことを重々ご理解願いたいと思います。

要するに、利食い幅は常に大きく、損失幅は常に小さくと言うことにこだわって、あまりに近いレベルに損切りオーダーを置くのは決して良い結果を生まないのです。

一般世間的には、損切りの重要性ばかりに焦点が置かれてしまい、あたかも損切りオーダーは近いレベルに、そして常に置いておかねばならないという、一種の「恐怖観念」に近いものをお感じの個人投資家の方も多いようにうかがえます。

そもそも、トレンドを追っていれば、そして、トレンドに乗ったトレードをしていれば、利益は大きくなり、損失は小さくなるのです。このトレンドの把握についてのコーチング、指導が十分になされていないことこそが大問題なのだと思います。

実際のところ、トレンドの把握の方法についての、体系だった分析方法が正しく伝わっていないのが実情のようです。この際、相場のトレンド判断が正しく出来れば、その結果として、自動的に利益が大きくなり、損失が小さくなるということを十分にご理解して頂きたいと思います。

というわけで、私は、損切りを強調し過ぎることには決して賛同しません。そうではなく、トレンドが変化したと判断した時点で、その時に持っているコストに関係なく、ポジションをカットすること、そして、トレンド方向に合致して、新たにポジションを造成することこそが本当の損切りなのです。

利食いの値幅や損切りの幅についても、その時々の相場を見て判断すべきであり、ただ単純に幾らの幅で利食い、損切りということはお勧めしません。とにかく大事なのは、現時点での相場の判断であり、現在の相場がどのトレンドにあるか、それともないのか、そして、どのレベルをブレイクすれば、トレンドに変化が生じるのか等々といった、まさに状況に応じた判断を行うことが肝要です。

利食いや損切りが先にありきではなく、相場の判断そのものが先にありきであり、その結果として、利食いや損切りを行うこと、そうすれば、自然と「利大損小」となるということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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