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マーフィーの日々是好日

「マーフィーの6法則」第5法則

本日は、「マーフィーの6法則」の5番目の「常にリラックスした精神状態を保つこと」についてご説明します。

そもそも、人間の恐怖の源泉というのは、多くの場合、「どうなるかわからない」と言う深実性なのです。ですから、この不確実なものを確実なものにすれば良いわけです。恐怖から目をそらさず、見つめることが大事ということです。

具体的には「最悪の事態を出来るだけ詳細に想定すること」です。昨今、様々な企業で、危機管理体制の構築、いわゆるコンティンジェンシープランというものが浸透しています。最悪の事態になった時にどう対処するかを、会社レベルで考えているわけです。そうすれば、不測の事態が襲ってきても、慌てることはあまりないわけです。

考えてみれば、個人が投資を行うに当たっても、この不測の事態は大きなリスクであるわけですが、まさに推測出来ないからこそ、ストレスなわけです。リラックス出来ずに、イライラした状態の陥ってしまうわけです。

と言うわけで、もしもの事態が起こった場合の対処法まで考えておけば、その時点で脳の中では、確固としたものになります。ストレスに弱い人のほとんどは、不確実なものに遭遇した時は、ネガティブなことばかり想像してしまうようです。不測の事態が起こった場合に、「じゃあ具体的にどう解決すれば良いのか」を事前に考えてみることが大事です。

このように、最悪の事態をシミュレーション出来ていれば、その中間程度のものは「大したことはない」と思えるわけです。トレードにおいては、具体的には、「ストップロス」、「損切り」というものがあり、これが最悪の事態(ロスの金額)を明らかにしてくれます。

「どうなるか分からない」というレベルから、「どうなるか大体の察しがつく」レベルまでもっていけば、不確実なものに追われるという恐怖心が少なくなると思います。そうすると、ストレスは大幅に減退するというわけです。

ところで、相場の世界での「損切り」「ストップロス」は、柔道やプロレスで言う「受け身」に当たります。柔道を行う前は、いかに倒れるかを何度も練習します。プロレスもそうですが、如何に倒れるかをしっかり練習することが何よりも大事なことです。

すなわち、咄嗟の時に「怪我」をしないように、自分の体を守るにはどう態勢を取れば良いのかを繰り返し練習するわけです。まさに体で覚える感覚です。トレードでも同じであり、咄嗟に判断を下せるようにしておく必要があります。となると、やはり、最悪の事態になった時のシミュレーションを事前に行っておくのがベターということになります。

ここで、「9勝6敗が一番強い。」と言う言葉をご紹介します。プロの麻雀士であり作家でもある阿佐田哲也氏の言葉です。負け方を知っている奴は一番強い。大相撲の世界では9勝6敗は大した成績ではないのですが、相場の世界では、素晴らしい成績なのです。自分の負け方のスタイルが出来ている人は非常に強いということです。

負ける人は、14勝1敗でもトータルでマイナスになります。個人投資家の中には、14回小さく利食い、1回の負けが巨額であるケースは意外と多いようです。まさに、「利小損大」です。こうなってしまう最大の理由は、トレードを行うに際しての「ルール」作りが出来ていないことと、最悪の事態に備えてのシミュレーションが出来ていないことです。

お勧めは、「ああなればこうなる」「こうなればああなる」というシナリオ設定を行う習慣を付けておくことです。すると、不安感は減少し、ストレスも減退することになります。人間誰しも不測の事態が突然襲ってくれば、冷静な行動が取れなくなるものですが、事前に様々な状況をシミュレーションしておくことで、咄嗟の時に「予定通り」の行動が取れることが出来ます。そうすると、常にリラックスした精神状態を保てることになり、チャンスを積極的に取りにいけるということになるわけです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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