「マーフィーの6法則」第4法則
本日は、「マーフィーの6法則」の4番目の「一旦確立した自分のスタイルを信じること(不動心と継続性)」についてご説明します。
この法則に関しまして、まず、一目均衡表理論の創始者である一目山人翁にまつわるお話をご紹介いたします。それは、親鸞聖人の「歎異抄」のことです。一目均衡表の創始者である一目山人(細田伍一)は、一目均衡表を購入した方全員に対して、「歎異抄」を送っていたというエピソードがあります。
確かに、一目均衡表原本全4巻には、仏教用語がたくさん出てきます。以前、一目山人翁(本名、細田伍一)のお孫さんである細田哲生氏にお尋ねしたところ、一目山人翁は常日頃、頻繁に仏教書を読んでおられたとのことです。原本を読み進むうちに、なるほどと思った次第です。細田氏にお聞きして以来、仏教書に関心が向かったのは言うまでもありません。
ところで、「歎異抄」を調べたところ、以下の言葉あります。「ただ信心を要とすとしるべし」と。仏教の世界では、「阿弥陀仏」の意思が世界を形造っている、いわば「宇宙意思」と言うべきもののはからいであり、それを信じるだけで良いのだという哲学があります。
ちょっと話が飛躍してしまいましたが、一度確立した自分の投資スタイルを信じるという鉄則では、まず、自分の投資スタイルを確立する必要があります。これ自体大変な作業とも言えましょう。私の投資手法(スパンモデル、スーパーボリンジャー、時間分析)を皆様が取り入れるかどうかは別としましても、皆様がご自身でトレードスタイルを確立された場合、とにかく徹底的にそのご自分の方法を継続して頂きたいということです。
何故ならば、ご自分のトレードスタイルを徹底して継続してみない限り、自分のスタイルの何処が悪いのか、修正しなければならないのか、いつまで経っても分からないからです。
人の意見を聞くのは悪いことではありませんが、あまりにいつも他人に頼っていたのでは、自分のスタイルが定まりません。そのため、ここぞという局面、タイミングで的確、迅速な判断が出来なくなるのです。相場というのは、タイミングが全てです。タイミングを失ってしまうと、逸失利益も含めて、大きな損失につながります。
自分の投資スタイルを確立して頂く為にも、他人の相場観を聞くのは止めた方が良いです。さもないと、自分の軸が定まりません。私が、主に、有料情報サービスで力を入れてお伝えしているのは、「相場分析方法」であり、「トレード技術」の伝達です。簡単に言うと、どこで買って、どこで売るかの具体的な方法論です。実際にトレードするに当たっての具体的なコーチングをさせて頂いています。
ここで、私の投資スタイルについて少し述べさせて頂きます。私は、相場のことは相場に聞けというスタイルを取っています。要するに、相場が今後どうなるかということは、今現在、目の前の相場がどうなっているかを分析すること以外に方法はないという考え方です。
目の前の相場を「相場の現在性」と呼びますが、現在の相場が買い優勢なのか、売り優勢なのか、それとも売り買い拮抗しているのか、を知ることが最重要と考えます。従って、罫線分析、チャート分析が中心ということになります。従って、私は、世の中で言われる「ファンダメンタルズ分析」、すなわち、経済指標や各種需給要因、イベント等による分析には重きを置いておりません。このファンダメンタルズ分析は、終わった相場に対して、理路整然とした解説を行うことが出来ます。しかし、ほとんどが「後講釈」であり、実際のトレードでは役に立たないのが実情です。極論ですが、率直に言って、「百害あって一利なし」というのが私の考えです。
敢えて申し上げます。「ファンダメンタルズ」は「不安だメンタルズ」と言い換えて良いでしょう。ファンダメンタルズ要因には、いつの時代、いつも時期にも、買い要因と売り要因が無数に存在しています。ちょうど、電車の線路が2本、交わることなく、延々と続いていくようなものです。1本の線路が買い要因、もう1本の線路が売り要因であるわけです。
端的に申しますと、上昇相場の局面では、買い要因に反応し易いです。逆に下落相場の局面では、売り要因に反応し易いのです。一般のマーケットコメントを読んでいると、上昇した時には買い要因が引用され、下落した時には売り要因が引用されます。説明するにあたって都合が良いからです。
と言うわけで、もし、買い要因があるにもかかわらず、相場が上昇しなければ、一般の相場解説は、相場が織り込んでいたとか、利益確定の売りに押されて、と言う風に、いつも通りに「後講釈」がなされる傾向にあります。この、時折聞く「利益確定の売り」なんていう表現ほど、実にいい加減な言葉はないと思います。そもそも、誰が誰の利益確定の売りだと断定出来るのか、まるで作り話以外の何者でありません。いずれにしても、「一旦確立した自分のスタイルを信じること」の重要性は幾ら強調してもし過ぎることはありません。
ここで、MLBで大活躍する、天才打者イチロー選手の言葉をご紹介します。
「何かを長期間成し遂げるためには考えや行動を一貫させる必要がある。」です。
この言葉は、イチロー選手が2006年9月16日、6年連続の200本安打を達成した日に語ったセリフです。「5年や6年続けることは、1年や2年とはワケが違います。」と付け加えています。まさに極めた者だけが口に出来る箴言です。
相場の世界にて置き換えると、「一貫した考えや行動」とは、「投資哲学」「信念」であり、「ルール」なのです。相場は怖いものです。時には牙をむき出してこちらに襲いかかって来ます。時々、大儲けさせてくれるだけに、よけいに怖いものです。お金を稼ぐという欲望が絡んでいるだけに、人間の煩悩との戦いという面もあります。それだけに、骨子となる投資哲学、信念なるものが必要不可欠となるわけです。
ところで、投資哲学や信念が形を変えたものが「トレード技術」です。「トレードルール」と言っても良いかもしれません。イチロー選手が「考えや行動を一貫させる必要がある」と言ったことには深く感銘を覚えます。相場でも全く同じことが当てはまり、一貫した「トレードルール」の確立は何よりも心強いものとして、自分の味方となってくれます。「トレードルール」とまでいかないまでも、「自分の勝ちパターン」を幾つか持っているのも強みです。逆に、「自分の負けパターン」を知っていることも強みです。
この局面は、自分の苦手な展開であり、負けトレードを行うケースが過去に多く見られたことをしっかりと覚えておき、それを繰り返さないことを肝に銘じておけば、マイナスを減らすという意味で、「強み」であるわけです。私の場合は、「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」、「時間分析」を通じた「トレードルール」を持っています。
過去の多くの失敗から学んだことの産物でもあることから、過去のマーケットに参加出来たことに感謝です。数多くのパターンを教えてくれた過去のマーケットがあるからこそ、自分の「トレードルール」が出来たのだとも思います。現在は、これらの「トレードルール」を、出来得る限り、個人投資家の皆様に伝授させて頂いている次第です。
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