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マーフィーの日々是好日

「マーフィーの6法則」第3法則

本日は、第3回目として、「マーフィーの6法則」の3番目の「利を伸ばし、損を抑えること(利大損小)」についてご説明します。

■結論から言うと、第1の法則と第2の法則に従っていけば、すなわち、トレンドを追う、トレンドレスの相場では休む、を追求していけば、結果的に、「利大損小」となります。

ただし、これらの法則を実行していく際に、大切なポイントがあります。それは、そもそも、利益と損失という2原論的な区別、考え方自体が危険であり、良くないということです。すなわち、ポジション調整の結果、収益が出れば利益であり、そうでない場合は損失にすぎないという発想が大事なのです。

表現を変えると、上昇局面ではロングポジション、下落局面ではショートポジションを取ることが大事であり、これら上昇局面か、下落局面かを見定めることでポジション調整を行うことが最優先であり、利益や損失はあくまでその結果に過ぎないという考え方が肝要です。

さらに言い換えると、現在の相場が、上昇相場であるのか、買い優勢であるのか、下落相場であるのか、売り優勢であるのかといった判断を如何に行うかが最大の関心事であるべきなのです。それ以外の相場の雰囲気、要因等は出来るだけ捨象するに越したことがにないのです。

そして、上昇相場、買い優勢と判断される限りは、ロングポジションを持ち続けるべきであり、下落相場、売り優勢と判断される限りは、ショートポジションを持ち続けるべきなのです。その結果、利益が増大し、損失は抑えられることとなります。すなわち、「利大損小」の実現です。

ところで、トレードを行うに際して、精神面のコントロールが重要な要素となります。人間の感情として、「恐怖感」は大きな要素であり、評価益を失う恐怖、評価損が拡大する恐怖があるのは事実です。この「恐怖感」は決して消すことが出来ない、人間本来の煩悩だとも考えられます。

ですから、この恐怖感を消すことは出来ないと観念してしまって、むしろ恐怖感と上手に付き合うというスタンスが大切だと思います。逆に恐怖感があるからこそ、大きな損失には至らないのだというぐらいの開き直った気持ちが大切だとも言えましょう。

1つ絶対に避けなければならないのは、実現するまでは評価損は損と見なさないことです。これは非常に危険な考え方だからです。「評価損」は明らかに「損失」です。実現損、確定した損と同じレベルの損失をしているのだと考えなければなりません。

さらに1つ付け加えると、トレンドの判断を間違ったと判断されるまでは、いわゆるナンピンはご法度ではありません。一方で、トレンド判断を間違ったと認めたら、例え損失が小さくとも手仕舞うのが鉄則です。サポートやレジスタンスを点ではなく、ゾーンで捉えて、買い下がり、売り上がりを行うというトレード方法は、理想的です。そのプロセスでは、決して「ナンピン」ではないということになります。

利益と損失と言う二元論的な考え方を出来るだけ避け、自分のポジションのコストを忘れることが出来れば、最も理想的なトレードスタイルが完成するということです。そして、このトレードスタイルを信じること、「信念」が大切です。ここでいう「信念」とは何か。一言で言うと、「ルール」となります。ところで、画期的なルールを自分ひとりで生み出すのは一筋縄ではいきません。

では、どうしたら良いのか。先人たちの知恵(格言)を借りるのも一手です。例えば、「しまったら仕舞え」や「見切り千両」です。これらの言葉は損切りの大切さを教えてくれます。他に、「もうはまだなり、まだはもうなり」「登り百日、下げ10日」と言う格言があります。これらの言葉は仕掛け時、手仕舞時の心構えを説いてくれています。

もっとも、これらの言葉、格言が頭の中では充分に分かっていても、実際の相場の中では実行出来ないものです。「もう少し粘ろう、もう少し頑張ろう」と思った結果、損が予想以上に大きくなってしまうことがあります。「まだ上がるはずだ、まだ上がるはずだ」と思っていた相場が翌日に急落してしまい、少しの利益しか残せなかったことを経験したことのある人も多いはずです。

格言は、たまに読むと、実に含蓄のある、為になることを教えてくれるものだと分かります。それは、それとして大いに意味のあることです。しかしながら、問題は、やはり、毎日のトレードです。毎日のトレードでは、「ルール」を持っている人とそうでない人とでは、結果が大いに違ってきます。この「ルール」は出来るだけシンプルである必要があります。シンプルでないと実際の相場では使えないからです。

いずれにしても、トレードするに当たっての信念の基となる「ルール」が必要です。私の「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」はその「ルール」の1つとして、皆様にお勧めする手法、手段です。

以上、「利大損小」というのは、正しい「ルール」に従って、トレンドのあるなしの判断を正しく行った上で、正しくトレードを行っていけば、結果として付いてくる産物なのだということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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