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マーフィーの日々是好日

「動く相場と心の関係」について

今日は「動く相場と心の関係」をお話してみたいと思います。

トレードの技術面ではなく、心理的な側面についてのお話です。

目の前の相場が動くと、こちらの心がどうしても動いてしまいます。しかし、動くものを見ながらそれと一緒に心が動くと、逆に動くものが見えなくなってしまうのです。動くものを、その「ありのまま」見ようとすると、こちらが心を動かしてはいけないのです。

ところが、ここから「禅問答」のようなものとなってしまいます。

と言うのも、心を動かしてはいけないと思うと、既にその心は動いてしまっていることになります。私達の心は、動かさないようにして動かなくなるほど簡単なものではありません。この心の動きをどうコントロールするべきか、相場をやっている以上、永遠の課題となるわけです。

ところで、心をコントロールすることは、「心の置きどころを定める」と言い換えても良いかもしれません。

例えば、利が乗っている時よりも、損が出ている時は、「心の置きどころ」に特に困ってしまいます。もっとも、利が乗っていても、その利益を失いたくないという気持ちが働いてしまい、やはり、「心の置きどころ」を見失ってしまうことは頻繁にあります。

儲けが出ている時は、とかく有頂天になってしまいがちであり、それはそれで冷静に相場を見ることが出来なくなるというわけです。しかし、やはり、何と言っても、損失が出ている時は、心が沈んでしまい、相場がより見えなくなってしまいがちです。

そういう状況では、自分が相場を見ているつもりでも、ほんの一部しか見ていないケースが増えるものです。さらに悪いケースでは、自分に都合の良いものしか見なくなります。

自分が買っていて、相場が下がっていく場合、買い材料にばかり目がいくようなケースがそれです。最初に申し上げた通り、動いているものを、こちらがそれ以上に動いてしまっているために、全く見えなくなってしまっているのです。

「利大損小」(利益を伸ばし、損失を抑える)ことは、お題目としては誰でも分ることなのですが、問題は、生身の私達人間が、「利大損小」をどのようにして実現していくかという具体的な手段は何かということです。

私が推奨するトレード手法である「スパンモデル」に色を付けているのも、この私達の「心の置きどころ」を考えたからです。青色は上昇、赤色は下落、と目に見えれば、こちらの「心の置きどころ」も定まりやすくなるからです。

相場をやっていると、どうしても心が不安定になります。この心の不安定をなくすことが出来ないまで、少しでも抑えることが出来れば、成功トレードの確率はぐんと高まると思うのです。

と言うわけで、「スパンモデル」は、人間の心理状態も考慮したトレード手法であることをご理解頂ければ幸いです。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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