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マーフィーの日々是好日

「勝つか負けるか」と言う二元論的思考の危険について

「勝つか負けるか」といった、「二元論的思考」の危険さについて、お話したいと思います。

相場の世界に入る方々の大半は、お金を稼ぐということを第一義の目的とされているものと思います。

お金儲けを最重要の目的とするならば、当然の結果として、「勝った」「負けた」もしくは、「儲かった」「損した」という二元論的な結末を気にすることになります。言い換えると、「プラス・マイナス」「ポジティブ・ネガティブ」「陰と陽」「幸せと不幸」「快楽と苦痛」という二元論的発想です。

人間である以上、やはり負けたくない、勝ちたいという気持ちがはやるのは普通の煩悩であり、負けると悲しむという結果になるのも、ある意味極めて人間らしい感情であると言えましょう。

しかしながら、実は、相場の世界では、この二元論的発想が非常に危険なのです。相場をやっていると、「高値で売りたい」、「安値で買いたい」という欲求がもたげてきます。そして、「損は悪」という考えで頭が一杯になります。

結局は、相場の神様でないわけですから、いつも高値圏で売って、安値圏で買うなんていう「芸当」は出来るわけがなく、100%勝てる保証などないわけです。

ところが、「損は悪」「利益は善」という二元論的発想が損失に対する極端な拒絶反応につながり、「自己防衛本能」へと発展していくことになるのです。そして、「自己防衛本能」が行き過ぎると、選択肢はどんどんと限定されていき、目の前の相場を真正面から見つめて冷静な分析を行うことが出来なくなるのです。

例えば、ドル円をトレードしていて、91円でドルロングを作った後に、92円になれば、ポジションは「成功」となるわけですが、90円になれば、「失敗」となり、もし89円にでも下落すれば、「大失敗」になるわけです。

そして、失敗は悪であるから、それを認めないことになり、損はやはり悪であるから、損失の実現は見送られることになるわけです。損失は、いつまで経っても認められないまま放置されるのです。

加えて、その時の精神状態は、落ち着かず、自分を責め続け、悔恨の絶頂となるのです。ひどい時は、責任を周りの人間のせいにしたりして、自己防衛を計ろうとします。こういった自分の精神状態を客観的に見つめられる人は強いものです。過剰な自己防衛本能を追い出すことに成功している人です。

自分自身を深く認識することが出来るわけであり、相場をやるに際して最も重要な要素を身に付けている人です。言い換えれば、相場の過去や未来をあれこれ考え、悩まず、今現在の相場を真正面から見つめる勇気が必要なのです。

目の前の相場の動きを冷静に分析し、「買うべき時に買う、売るべき時に売る」というアクションをとる絶対積極的な勇気が大切です。このように、買うべき時に買う、売るべき時に売る、そしてその結果が損失になったとしても、一向に構わないのです。実は、15勝1敗より、9勝6敗の方が結局は強いのです。

負け方を知っている人間は相場に参加する資格があるわけです。勝ちか負けにこだわる執着心の強い人は、相場では危険です。さらりと流す勇気のある人が生き残るわけです。

いわば、9勝6敗は、「中庸」です。一番強いのが「中庸」なのだと思います。勝ち負けに拘る二元論的発想では、私たち人間の心身は持ちません。特に相場の世界では、緊張を和らげたリラックスした精神状態が最大の武器なのです。

よく、ポジションを持たないと相場観がよく当ると言いますが、まさに言い得て妙だと思います。ぜひとも、「中庸」を守って、二元論的な発想を極力避けて、リラックスして、相場に臨んで頂きたいと思います。



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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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