リスクとリターンについて再考察
今回、改めて、「リスク」と「リターン」について考えてみましょう。
一般的には、「リスク」はネガティブ、悪いもの、「リターン」はポジティブ、良いもの、と言う風に理解されている節があります。しかしながら、「リスク」はネガティブなものでも、悪いものでも、危険というものでもありません。「リスク」とは不確実性のことであり、利益になることも、損失になることもある得るという、将来が不確定な状況を表す言葉です。
「リターン」についても確認しておきましょう。「リターン」には今後どの程度の利益になるかという「期待リターン」と呼ばれる概念と、最終的にどれだけの利益が得られたかという「実現リターン」という概念の2つがあります。
さて、「リスク」についてですが、要するに、将来の不確実なリターンがどの程度不確実なのかということを表す概念と考えられます。つまり、「リスクが大きい」という意味は、大きな損失を被る可能性があるかもしれないけれども、大きな利益を得る可能性を秘めているということです。
確かにトレード、投資をする意義、目的というのは、それによって損失を被るかもしれないけれども、利益を得る可能性があるからです。絶対に損失を被ると決定されているものに人は誰も関わらないでしょうし、一方、絶対に利益を得ると決定されているものであれば、それは、投資対象にはならないでしょう。
この当たり前のことが分っていると、私がいつも申し上げている「大難を小難に、小難を無難に」の意味をご理解頂けると思います。つまり、トレードとは、如何にして損失を被る可能性の低い方法で、より大きな利益の上がる売買を行うことであるかということです。もしくは、損失を被る可能性の度合いに応じたリスクの取り方があるということ、ポジションの取り方の違いあるということと言い換えることが出来ましょう。
例えば、私は、「スーパーボリンジャー」にて、トレンドが発生する可能性が高い必要条件として、(1)動き出す前に小動きであること、(2)プラス1シグマラインを上回って引ける、もしくはマイナス1シグマラインを下回って引けること、(3)バンド幅が拡大すること、(4)遅行スパンが転換(陽転、陰転)することを挙げています。
これらの必要条件が揃えば、比較的リスクを抑えて、収益につながりやすいトレンド相場の発生を見出すことが出来る可能性が高いことを教えてくれているわけです。つまり、「期待リターン」の高いトレードを行えることが出来るということです。
また、別の具体例では、巡航速度の上昇相場において、実勢レベル終値がプラス1シグマラインを下回って引けた場合、その時点で上昇相場が一旦は終了して、調整局面に入っていく可能性が高いと判断して、「打診売り」でのショートポジションを持つことは、リスクは高いけれども、「期待リターン」の高いトレードを行う1つの戦略として考えて良いということです。
上記の具体例を別の観点から見ると、巡航速度の上昇相場において、実勢レベル終値がプラス1シグマラインを下回って引けた場合、その時点で上昇相場が一旦は終了して、調整局面に入っていく可能性が高いと判断して、ロングポジションは一旦手仕舞をするのが「無難」ということです。
このことで、当初、「期待リターン」が高いと判断して、造成したロングポジションを手仕舞することで、「実現リターン」を得ることが出来るわけです。「期待」で造成したポジションの手仕舞が利益になるか損失になるかは、あくまで結果論として見なすことが大切であり、「実現リターン」になる確率が高いものであるからこそ、私が「トレードルール」の1つとしていることをご理解頂けると思っています。
以上、「リスク」「リターン」について、しっかりと把握、理解した上で、しかるべき状況にて、しかるべき「リスク」を取ることで、「期待リターン」を狙い、最終的に「実現リターン」にするような売買を行うことが正しい「トレード技術」であるわけです。
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