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マーフィーの日々是好日

リスクについて

投資には「リスク」がつきものです。

しかしながら、一般的に言って、「リスク」というと危ないものというイメージがあります。まるで「リスク」=危険という連想をする人が多いのも事実です。

もっとも、よく考えてみると、「リスク」とはあくまで不確実性のことです。不確実性となると、まさに、白か黒かどちらかわからない、50・50(フィフティ・フィフティ)の状況こそが「リスク」が高い場面と言えましょう。

その意味では、たとえば、スーパーボリンジャーのセンターライン近辺にて相場が推移している状態を指しているとも考えられます。ところが、一般的に、そのような水準にある時に、市場参加者は、「リスク」が高いとはあまり受け取らないようです。

一方、相場が上方向に放れて、プラス1シグマラインを上抜けてきたり、さらには、プラス2シグマラインを上抜けてくると、今度は「リスク」が高まったと思ってしまう人が増えるようです。確かに、相場変動率が高まったことは明らかですが、イコール、リスクが高いと考えるのは、相場の本質を知らないためだと言えましょう。

実際の相場はと言うと、皆様もご経験がある通り、プラス1シグマラインを上回ってくる相場は、さらに上昇加速していくケースが多いのです。さらに、プラス2シグマラインの上方をブレイクすると、少なくとも短期的に、一気に続伸していく確率も高まります。

もちろん、その後に反落する場合もありますが、重要なポイントは、一旦、上方向に放れると、その方向に相場が向かって推移していく確率が高まるという点です。その意味では、むしろ、「リスク」が低いと言えるのです。

何故なら、センターライン近辺に位置している時は、上か下か、どちらに推移していってもおかしくない状態であるのに対して、一旦放れてきた相場は、方向性がはっきりとしてくるケースが増えるからです。

このように、「リスクが高い」とは、これからどちらに向かうのかわからない時であり、言い換えると、良いことか悪いことか、どちらが起きるか分からないという意味です。つまり、一番リスクが高いのは確率が50%ずつのときだということになります。

実際の相場の世界にて、市場参加者の多くは、相場がどちらに向かうかわからない、小動き、レンジ相場、揉み合い相場の時に、あれこれ無理矢理「材料」を引っ張り出してきて、相場予想をするという、実に効率の悪い行動パターンを取っているわけです。つまりは、「高いリスク」を取りたがっているように見えるのです。

相場の本質を理解している人なら、そのような行動パターンは取りません。相場が動き出した時に、相場が放れた方向や流れについていくことこそが、リスクを抑えることだと知っているからです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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