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ストップロス(ロスカット、損切り)についての1考察

ストップロス(ロスカット、損切り)について質問されるケースが多いです。一般的に、初心者の方でも、最初に覚えるべきものとして認識されているからでしょう。確かに、その認識自体は正しいと思います。

しかし、ここで問題があります。それは、ストップロス(ロスカット)は、こちら投資家サイドの勝手な都合だという点です。

相場が、あるレベルを越えて逆方向に動けばロスが膨らむから嫌なだけです。しかし、相場は相場の都合で動きます。相手である相場にとっては、こちらの資金量、リスク許容度などおかまいなしです。

そもそも、ストップロス(ロスカット、損切り)の目的は何でしょう?

それは、相場を見ていない時に、不測の事態が生じて、損失が膨らむのを抑えるためです。目の前で相場が動いている時は、こちらで判断出来るわけで、その心配はないのです。

もうお分かりだと思います。

すなわち、相場とは、上がると思うから買う、下がると思うから売るわけです。損失が出ているのを、指をくわえて見ているのは間違った行為であり、やってはいけない行為です。

目の前の相場と仲良くしていれば、上昇トレンド(買い優勢)で買い、下落トレンド(売り優勢)で売るわけです。エントリーのレベルをしかるべき判断基準で正しくしていれば、大きなロスにはなりません。

あるのは、大きな利益か小さな利益、もしくは小さな損失です。そして、大事なポイントは、寝ている時やマーケットをウォッチ出来ない時に、不測の事態が生じて、損失が大きくなるのを抑える為にストップロス(ロスカット、損切り)オーダーを置くだけです。

この不測の事態は、ほんの僅かの割合で、寝ている間のみならず、日中でも突然発生することがあります。ただ、その事態に備えるためにストップロス(ロスカットオーダー)を置くだけなのです。

肝心なことは、相場を見て、しかるべき時にエントリーし、しかるべき時に手仕舞いすることです。正しく相場を判断し、正しいルールに従ってトレードすれば、その結果が、利益か損失を生むにせよ、大きな損失にはならないのです。

手仕舞いは、トレンド変化に従って行うわけで、それは時には利食いやロスカットになるだけです。ロスカットと言っても、正しい売買の結果としての損失に過ぎないのです。エントリー、手仕舞の結果がプラスになるかマイナスになるかの違いに過ぎないのです。正しい方法で相場を判断し、正しいルールに従ってトレードしていれば、プラスが大きく、マイナスが小さくなるということです。

そして、繰り返しになりますが、寝ている時やマーケットをウォッチ出来ない時などに不測の事態が起こって知らないうちに損失が膨らまないように、事前に、ストップロス(ロスカット)注文を置くのだという発想、考え方が大事だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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