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マーフィーの日々是好日

脳内妄想は避けましょう

前回、プライドが高い人は、トレードが上手くいかなくなるというお話をしましたが、自分の相場観に拘って、相場に参加し、トレードしていると、当然のことながら、自分の相場観通りに相場が推移していかなくなる場面に遭遇します。

その時、自分の頭の中は、まさに「妄想の嵐」となります。すなわち、「自分の相場観は正しいにもかかわらず、一体全体、この相場はどうしてこうなんだ!何か間違っている!」とか、「今の相場の動きは一時的なものであり、すぐに、自分の相場観にしたがった動きに変化していくはずだ!」とどんどん自分の妄想の世界に入っていくのです。

自分では、理路整然とした相場判断をしているつもりですが、実際に目の前で動いている相場は自分の思惑通りに動いていないわけです。そして、自分の中には、「怒り」という反発の煩悩エネルギーが湧き上がってくるのです。

この怒りの煩悩に加えて、余計な雑念が思考を停止させようとするために、目の前で起こっている相場の変化、推移に対して、鈍感になっていきます。元来、考えて込んでいる時、妄想に逃げ込んでいる時は、目の前の相場が見えているようで見えなくなってしまっているのです。

その証拠に、週末マーケットがクローズして、少しでも落ち着いてチャートを見た時に、チャートが違って見えることがあるものです。何故、マーケットが動いている平日のチャートと違って見えるのか、不思議に感じることもあるのです。どうも、人間は2つのことを同時に正しく行うことが出来ないようなのです。

その原因は、普段、マーケットが動いている時は、余計な雑然を抱き、妄想に振り回されて、「迷い」の煩悩エネルギーが脳を支配しているからだと考えます。頭の中で、ぐるぐると迷走してしまっているわけです。これこそが、「脳内妄想」です。

たとえば、自己資金10万円を3カ月で100万円にするとか、1年間で数千万円の利益を上げるとかいった、まだ得られていない利益のことを誇大に妄想することはとても危険な精神状態です。または、獲得した利益で高価な宝石を買うとか不動産の頭金を捻出すると言った考えも良くありません。

そこでは、ただ単にお金を稼ぐということに目的が集中してしまい、肝心の、マーケットを正しく判断し、正しくポジションを取り、正しく手仕舞うというプロセスに関心が向かわなくなってしまっていることが多いのです。そして、利益=良いもの、損失=悪いもの、という極端な二元論的発想に陥ってしまいます。さらには、マーケットを戦う相手と見なしてしまうのです。これは、トレードが上手くいくはずもありません。

それでは、この「脳内妄想」を和らげる、防ぐにはどうしたら良いかと言うと、やはり、目の前の相場に集中する以外に方法はないと思います。「今、ここ」に集中することの重要性がお分かり頂けると思います。

そうなのです。相場は、「今、ここ」にしかないと思うことこそが大事です。1寸先は闇であり、ありとあらゆる可能性を秘めているのが相場であり、一寸先のことをあれこれ妄想しても意味はほとんどないということです。

相場に入り、自分のポジションを持っている時は、どうしても、「脳内妄想」を抱きがちですが、そうならないためにも、「今、ここ」に集中する習慣を付けたいものです。何か、あらぬことを想像しているなと自分を客観視することが出来るかどうかの違いは、計り知れないということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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