トレードの際の煩悩エネルギー
煩悩エネルギーとは、人間の根本的な煩悩を発信源とした、私達の行動に日夜影響を与えている潜在的なエネルギーのことです。煩悩という言葉が示す通り、「煩わせるもの」「悩ませる」ものです。まさに、私達の心身にダメージを与え、ストレスを与えるものです。
ところで、煩悩が、本来、人間の行動の原動力となっているとの見方も出来なくはないですが、煩悩であるかぎり、それは、負、つまり、マイナスのエネルギーです。一方、「意欲」は「煩悩」と違い、生、つまり、プラスのエネルギーです。ですから、「煩悩」を極力なくして、「意欲」を持てば理想的ですが、なかなかそうはいかないのが私達人間です。何故なら、煩悩があるからこそ、人間とも言えるからです。「だって人間だもの〜〜」の世界ですね。
さて、私達人間は、実に多くの煩悩を持っていますが、その中でも、代表的なものが、「欲望」「怒り」「迷い」の3つです。仏教の世界では、この3つを「三毒」と言うそうです。
ちなみに、私は、相場の世界に入って、仏教を勉強するようになりましたが、そのきっかけは、あの一目均衡表の創始者である一目山人翁が仏教を究められたとことを聞いたからです。そのお蔭もあって、私自身も、少しではありますが、仏教の素晴らしさを垣間見ることが出来るようになりました。
ところで、この煩悩に突き動かされる格好でトレードすると、どのような悪影響が出るかと言うと、まさに、アドレナリンが身体を刺激する格好で、強いストレスをもたらし、心身をぐったりとさせてしまいます。
ストレスが溜まってくると、思考も上手く回らなくなります。また、悪いイメージでマーケットを捉えるようになります。つまり、自分のポジションが評価益を生んでいる時には、この評価益がいつ無くなってしまわないかと心配になります。一方、評価損を抱えている時は、損失を実現させることに怒りや恐怖感を覚え、いつまでもズルズルとポジションを引っ張ってしまいます。
そして、煩悩は自分勝手な世界を作り上げようとします。つまり、目の前の現実から離れて、自分に都合の良いことだけを作り上げてしまうのです。たとえば、自分の持っているポジションに都合の良いニュースや材料だけを追い求めるようにし、都合の悪いものは敢えて見ないようにするといった具合です。
こうなると「自分だけのストーリー」が出来上がってしまい、その中に逃げ込んでしまいます。目の前の相場がどう動いているかはお構いなしです。そもそも、私達は、程度の差こそあれ、自分の脳内に引きこもって煩悩の世界にふけることが大好きのようですから、そのことが何となく分かる気がします。
そして、目の前の相場の動きに対して、冷静になることが出来なくなります。先ほど、自分が持っているポジションの例を挙げた通り、自分のポジションが評価益を持っていようが、評価損を持っていようが、常にストレスを抱えている状態となるわけです。この結果、どうなるかと言うと、よく一般に言われる通り、利食いは早く、損切りは遅くという行動パターンとなります。
以上のように、自分の心の中に潜む、煩悩エネルギーのことを知っておくかどうかの違いは大きいです。ただ単に「利食いは伸ばしましょう。損切りは早めに行いましょう」という掛け声だけでは、人間は正しく行動出来ないものだからです。この点からも、仏教を究めることの意義は大きいと思います。
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