相場の世界では、自分だけが知っている情報というのは存在しないものです。しかしながら、自分だけ知らない情報が多数存在することは極めて普通のことです。

早い話が、自分が知っている情報というのは、基本的には「誰でも知っている」のです。つまり、マーケット価格に完全に織り込まれていると言って良いでしょう。一方で、自分だけが知らない情報というのは、無限大に存在しています。マーケットというのは、本来そういうものです。

ですから、自分が思った方向に相場が推移していかない時は、既に、自分だけが知らない「何か」が起こっていると考えるのが手っ取り早いです。いつも、このようなスタンスを取っていると、「無難なトレード」が出来るようになります。相場の動きに対して、いつも謙虚な態度を取れるようになるからです。

相場に対して傲慢に向かっていくと、ろくなことはありません。必ずしっぺ返しを食らいます。相場とはそういうものです。しかし、いつも謙虚でいると、少しずつではあっても、かなりの確率で「報酬」を与えてくれます。決して大きな報酬ではありませんが、積もり積もると大きな収益になります。

相場に何かと突発的な動きが見られた時にこそ、このようなスタンスが物を言います。何かしら分からないけれども、相場は動いている。自分だけしか知らない何かが起こっている。だから、その動きについていこうと素直になれるわけです。つまり、目の前の動きと仲良くしようと思えるのです。これは実に大事です。

一方で、それぞれのニュースに対して自分の判断で反応してはいけません。とにかく、あまり「ジャッジ」をすることはお勧めしません。頭を使い過ぎて「ジャッジ」すると、結果は残念ながら、後手にまわってしまいます。

あれこれ下手に「ジャッジ」するくらいなら、素直に相場の流れについていくのがよっぽど効率的だということです。結局のところ、相場の世界では、自分だけが知らないことが頻繁に起こっていると思うぐらいが丁度良いと思います。ですから、情報量で勝負しようなどと考えない方が良いということです。私たちが手に出来る情報など、たかが知れていると思うくらいの謙虚な気持ちで臨めば、時折、相場の神様が微笑んでくれるからです。

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