「逆境」に耐えるより「順境」に耐えよう
ここで言う「逆境」とは、トレードしていて、相場が自分の思惑と違った方向に推移し、自分のポジションが評価損を抱えている状態を指します。
一方、「順境」とは、トレードしていて、相場が自分の思惑通りの展開となり、自分のポジションが評価益を抱えている状態を指します。
さて、一般的に言って、相場は難儀なものですから、往々にして、「逆境」に耐える場面が多く、その間の時間も長くなる傾向があります。恐らく、この点に関しては、読者の方の中でもあまり異論はないことと思います。
そんな「逆境」の時、よく使う比喩的な表現として、「布団をかぶって寝る」というのがあります。つまり、評価損を抱えたまま、知らぬ振りをして、ただ耐え忍ぶということを意味します。
このようなスタンスは望ましくはないのですが、世の中では比較的多く見られる状況ではあります。そして、実は、安易に「逆境に耐える」ことを意識するしないにかかわらず行ってしまっているようです。
その一方で、「順境に耐える」とは、まさしく、利益が乗っている状態で利食いを行わず、耐え忍ぶことを指します。評価益を失うことに対する恐れは多分にあるのが人間の煩悩ですが、それに対抗して、利益を最大限にまで伸ばそうと耐えるわけです。
実は、この「順境に耐える」ことは、「逆境に耐える」ことより遥かに難しいのです。すなわち、利益を伸ばすことの方が、評価損を抱え続けるより難しい行動だということです。極論すると、ロスカットをすることは簡単なことである一方で、利益を伸ばし続けることは、実に「難儀」なのです。
だからこそ、普通にトレードしていると、人間の煩悩がもたげてくるものですから、評価損を抱えた状態では、出来るだけ我慢して耐えてしまう一方で、評価益を抱えだすと、耐え切れなくなって、早く利食いをしたくなるわけです。
結局、「利大損小」(利益が大きく損失が小さい)を目指すのが良いとは頭では分かっていても、現実的には如何に難しいかが分かります。だからこそ、相場とは人間の煩悩に挑むものだとも考えられるわけです。要するに、相場とは、相場と戦うのではなく、自分と戦うのだと言う認識が大切だということです。
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