プライスボードの価格変動にばかりとらわれては危険
普段、トレードしていて、自分の思惑通りに相場が展開しない場合、評価損を抱えることになるわけですが、この「負けトレード」の状態の時に、本人はそのつもりでも、もはや相場をウォッチしていない状態に陥っています。
相場動向を気にしていると言っても、あくまで価格の推移を価格画面(ティッカー)でおぼろげながら追っているだけに過ぎないわけです。つまりは、ただ、茫然と、価格の推移、変化に目をやっているだけの状態です。
このように価格を価格ボード(ティッカー)で追って一喜一憂することは、プライスアクションに拘るあまり、結局は、大局観を見失い、相場でもっとも大切な「エントリー」や「エグジット」のタイミングを見失いことになってしまいます。特に、今回の具体例のように、既にポジションを持っている場合では、完全に「エグジット」のタイミングを計れないでいるわけです。
本人は、タイミングを見失うまいと、真剣にチャートを見ているようでも、実際のところ、もはや、冷静、客観的には見ていないのです。心理的には、何故このようなポジションを取ってしまったのだろうかという自己嫌悪と、ロスカットによる損失実現の恐怖から、既に冷静な判断は出来なくなってしまってわけです。
この状況は、相場と戦っているのではなく、自分の恐怖心と戦っているというのが正しい描写だと言えます。そもそも、目の前で点滅する価格を見ていると、相場はどちらに推移してもおかしくないように映ります。まさに、上がるか下がるか50パーセントの確率のゲームにも見えてしまうのです。いわば、丁か半かの「博打」の世界です。
どちらに推移してもおかしくないわけですから、極端な話、その時点で自分のポジションが評価損を抱えて苦しんでいても、価格の瞬間の変化だけに目が向かっていると、ひょっとした自分のポジションの方向に推移するのではないかと錯覚しても当然かもしれません。それほど、プライスアクション、つまりは、価格の変化にだけ拘ることは危険だと いうことです。
もっとも、スキャルピングと言って、目の前の数ピップスの利益を狙うトレードスタイルもありますので、それはそれでプライスアクションに関心が向かうのも仕方ないのかもしれません。ただ、私は、たとえスキャルピングでも、相場の動きを全体から把握する感覚がないと成功はしないと思っています。
私のスパンモデルの場合、デイトレードにおいては、1分足スパンモデルが有効ですが、この1分足スパンモデルをしっかりと冷静沈着に判断する心の余裕が必要であり、大切だということです。ティッカーを通じて目に飛び込んでくる価格変動にばかりとらわれては危険だということです。
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