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マーフィーの日々是好日

トレードで復讐心を持つことは危険行為

「復讐心」という表現は、ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実感としては近いものがあると思っています。つまり、トレードで失った損失はトレードで 取り戻してやると言った「意地」のようなものが、日頃のマーケットでの冷静な判断を妨げているケースは多いと思われるのです。

単に感情的な面だけの問題にとどまらず、自分の相場観をマーケットに押しつけてしまって、一旦やられたポジションと同方向のポジションで収益を狙い、「復讐」しようとするケースは珍しくありません。

ロング(買い持ち)ポジションでやられたら、またロングでやりかえそうとしたり、ショート(売り持ち)ポジションでやられたら、またショートで取り返そうとしたりする行為こそは危険だということです。

一旦ロスカットしたポジションのことをいつまでも覚えていて、同じ方向、同じ金額のポジションを建てて、トレードするのは、まるで目の前のマーケットのことなどお構いなしで、ただ単に自分が失ったものを取り返す感覚であるかのようです。

要するに、本来、相手にしているものを、完全に見失っていることになるわけです。

とりわけ、ここでの大きな問題は、このように前のトレードでの損失を取り戻そうとすると、相場と敵対関係になってしまうことです。本来、マーケットと共に歩み、踊り、歩調を合わせることで収益を上げるトレードを行うはずが、マーケットと対立関係になってしまうのです。

マーケットに参加するに際して、今回のマーケットに対して、前回の自分が失敗トレードをした時のマーケットと同様の動きを期待し、今度は、間違いを繰り返すまい、そして、「正しい」トレードを行うぞと念じながら、いわば先入観を持って入っていくわけです。

このようなマーケットに対する思い込みのような姿勢こそが、今現在、目の前に起こっているマーケットの動きを見る目を曇らせてしまうのです。

「復讐心」でもってリベンジの気持ちでマーケットに向かう時は往々にしてこのような状況に陥ってしまうわけです。この点からも私達の心のあり方が如何に大切かがお分かりになるかと思います。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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