一般的には、マーケットに入っていく際に、ポジションをどのレベルで造成するかといった「エントリー」に関心が向かう傾向があります。確かに、「相場はタイミングが全て」と言う通り、どこでマーケットに入るかは、成功トレードの確率を上げる為にも大きな要素です。良いレベルで入ることが出来れば、ポジションを造成した後にロスカットオーダーを置くにしても、リスク限定的とも言えますから、当然と言えます。

一方、どこでエグジット（調整や手仕舞い）するかということも同様に重要なポイントです。利益であれば、出来るだけ利幅を伸ばすことが利益極大化の観点から言って大切だからです。また、ロスカットにしても、出来るだけ、小さな損失に留めるのがやはり肝要だからです。

一般的に見て、比較的エントリーのタイミングが重要視される一方で、エグジットのタイミングは副次的なレベルで捉えていらっしゃる方が多いようです。ところが、実は、このエグジットが上手に出来るかどうかが、将来長きに亘ってキャリアプロフィット（生涯収益）を拡大する為に、より重要であると私は思っています。

そもそも、相場はどこが高値か安値かは分かりません。タイミングをしっかりと計ってエントリーしても、その後、どのような動きになるかは、相場に聞かないと分からないものです。つまり、一旦、ポジションを造成してからのポジション調整は、相場の足取りを見ながらの判断となるわけです。

そして、エグジット、すなわち、ポジション調整なり、ポジションの手仕舞いをどう行うかは、目の前に展開する相場を分析すること、そして、自分自身のアクション（行動）次第ということになります。この過程では、自分なりのルール作りも大切な要素となります。また、メンタルマネジメントも大切です。

高値圏で売り、安値圏で買いということが出来れば、そもそもポジション管理はさほど難しいことではありません。例えば、1つの方法として、エントリーレベルであるポジションのコストの近くにロスカットを置いておけば良いだけのことだからです。

ところが、現実問題、相場は、そう自分の思惑通りに動かないからこそ、難しいわけです。従って、より大事なテーマは、相場動向を見ながら、既に所有しているポジションの管理をどうするかとなります。と言うわけで、エグジット（調整や手仕舞い）が、如何に大切かがお分かり頂けると思います。

極論すると、エントリーは「でたらめ」に行っても、エグジットをきっちり正しく判断出来るのであれば、収益から損失を差し引いたネット収益は増加させることが出来るということです。このようなことも、私が「相場予想はあまり重要でない」と常日頃から申し上げている理由の１つであります。

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