一攫千金を狙って相場を始めようと言う方が多いのは事実です。外国為替証拠金取引（ＦＸ）は、確かに、それほど大きくない、ある程度の資金があれば誰でも始めることが出来ます。

個人投資家の皆様は、幾ら少ない金額と言っても、ご自分の資金です。そして、完全に、ご自分の責任において売買されているわけです。その意味では、立派な「相場師」なのです。一方、いくら、「アナリスト」だ「エコノミスト」だと言っても、自分の資金を運用していない限りは、「相場師」ではありません。実際の運用の経験のない人が、いくら理屈を並べても、お金を残すためのアドバイスは出来ないのです。

すなわち、「相場師」の目的はお金を稼ぐことです。相場の上げ下げを「当てる」ことではありません。というわけで、「相場観」は大して重要ではありません。「相場観」より遥かに重要なものは、「トレード技術」です。「運用テクニック」と呼んでも良いかもしれません。

「トレード技術」と言うと、小手先のテクニックと思われる方がいるかもしれません。しかしながら、相場でお金を残せるかどうかは、ひとえにこの「トレード技術」を学び、身に付けているかどうかに掛っているのです。

外国為替証拠金取引（ＦＸ）は、一見、簡単な取引です。買うか、売るかしかないのです。しかしながら、何故、多くの個人投資家が苦労されているのでしょうか？それは、「トレード技術」を知らないか学んでいないからです。もしくは、知ったり、学んだりしていても、それを実際に行っていないからです。

ところで、皆様、個人投資家は、会社の社長のようなものです。何故ならば、相場を行うことは、１つの事業を行うことと同じなのです。あまりにワンマン経営で、偶然の成功で過信し、独善的な判断をし、事業の成り行きの変化を軽視し、資金管理をおろそかにしていたら、一体、あなたの会社はどうなるでしょうか？

ここで、「事業」を「相場」と置き換えて頂いて結構かと思います。ただ、問題は、事業と違って、相場は、完全に個人だけで行うことである為、１人で行うことのメリットよりもデメリットがより表面化し易くなるのです。確かに、事業の場合は、全くの１人ではなく、周りに優秀なスタッフ、社員がいるケースもあるからです。

ですから、相場の場合は、「社長」である個人投資家が間違った行動に出ると、間違いなく破滅への道を歩むことになります。特に、資金管理、ポジション管理を失敗すると致命的な結果となります。

というわけで、個人投資家がお金をコンスタントに残すことは並大抵のことではありません。また、たとえ「事業」である相場の動きを上手く読み取ったとしても、資金管理を上手に行わなければ、やはり破滅してしまうのです。ここぞという時に、積極的に攻めの経営をして、資金をつぎ込み、しかるべき時に回収に向かうというスタンスを取れるかどうかが「事業」である相場で成功出来るかどうかを左右するのです。

その意味で、やはり、相場の流れの中での資金管理、ポジション管理が非常に大きな重みをもってくるのです。「トレード技術」とは、この資金管理、ポジション管理を含んだ、具体的な売買の方法、技術論の域に属します。ですから、「相場観」云々はあまり、大きな重要性を持ってこないのです。極論すると、「相場観」が外れていても、収益は残せるのです。

何故なら、「トレード技術」をマスターすれば、しかるべきタイミングでエントリー（ポジション造成）し、手仕舞（ポジション調整）することが出来るからです。「トレード技術」を学べば、相場のトレンドの判断を行うことが出来、さらに、エントリーや手仕舞のタイミングを知ることが出来るわけです。

相場のトレンド発生及び終焉の判断、さらに、トレンドの強弱の判断こそが「トレード技術」で行うことが出来るわけです。そして、これらの判断に際しては、相場観はさほど大きな問題ではありません。極論すると、相場観が外れていても、トレンドの判断さえ出来れば、そのトレンドに乗れ、手仕舞うことが出来るわけです。

以上から、重々ご理解頂きたいことは、相場を行うことは、まさに個人投資家が、自らの責任の下であたかも事業運営の総責任者として「社長業」を行うことであり、成功の為には、何としても「経営術」である「トレード技術」を身につける必要があるということです。そして、頭で知っているだけでなく、実際に実践出来る能力を身につけることが必須ということです。


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