「高値売り」「安値買い」を狙う行為が危険である背景
「高値売り」「安値買い」は誰しも望み期待することです。しかしながら、これらを目指そうとすること行為自体に危険性をはらんでいます。
早い話が、市場参加者の大多数がまだ上がると思わない限りは、天井は出現しません。また、同様に、市場参加者の大多数がまだ下がると思わない限りは、大底は出現しないということです。このことは、市場センチメントと実際の相場の波動の相関性から言っても理解出来ることです。
高値を付ける時は、売るのがとても危険に思える局面です。同様に、安値を付ける時は、買うのがとても危険に思える局面だということです。「思う」というのはメンタルな状態とイコールと考えて頂いて良いと思います。価格の動きから感じる心の状態はまさにメンタルな面であり、市場センチメントと置き換えて良いと思います。
話は飛躍しますが、そもそも、私達は子供の頃から、あれをやってはいけない、これをやってはいけないと言われながら育ってきています。出来るだけ周りの人々と協調するように教えられることもあります。一人だけ抜け駆けすることは許されない風潮があります。
つまりは、他人と同じ行動を取ることが波風を立たせないこととして評価される文化の中に生まれ育つと、なかなか皆と別の行動を取ることに対して抵抗を感じるものです。このことは、あまり表面的に意識していなくても、潜在意識的に心の奥底に持っているものと言えましょう。
このように考えてくると、相場をやるということは、今まで自分が育ってきた環境の中であまり教えられないことをやることに近いと考えられます。従って、これまた極論かもしれませんが、知識人になればなるほど、相場では上手くいかないというのもうなずけます。
一般的な知識人とは、ある程度の世間の常識をわきまえた人々である以上、世間の規範から抜け出た行動を取りにくいと見なされても、あながち外れていないと思います。すなわち、相場の世界の論理からは正反対の方向に位置する考えを持った人々であり、相場では失敗する確率が高くならざるを得ないと言っても過言ではなさそうです。
この意味で、相場で財を為そうとするならば、並大抵の努力では無理であり、相場の世界の論理を理解し、それに対処すべく、技術的にも、精神的にも、鍛錬していかなければならないわけです。少なくとも、この厳然たる事実に背を向けていては、相場の神様は微笑んでくれないと言えると思います。
いずれにしても、「高値売り」「安値買い」を行おうとする発想なり、考え方自体、実は相場の世界では危険だということです。高値や安値かどうかは、後にならないと分からないものだということを認め、その場における「今現在のマーケット」と仲良くなり、格闘しないことが相場の世界で財を為す秘訣だと思うのです。
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