相場と格闘してはいけない
「相場と格闘しない」「相場と友達になる」というのは、私が好む、もっとも口にするフレーズです。
しかしながら、現実問題、そう簡単なことではないことも自分自身でよく分かっています。それでも、目指すものはいつも高く掲げて、常に意識しておかないと、すぐに煩悩に負けてしまうと思っています。人間というのは実に弱い生き物だと痛感します。
実は、私自身そうなのですが、今現在、相場と友達にならずに相場と戦っているなと思う瞬間があります。自分では、間違っていると悟っているにもかかわらず、意地になっている時があるのです。
問題は、自分としては間違った行動をとっていると意識している中で、その間違った行動を受け入れたくなくなっているということです。このような状況がどういう時に生じるかと言うと、相場の雰囲気に呑まれている時です。
正しい判断をしているにもかかわらず、その正しい判断に従うことなく、当初の自分の相場観に固執してしまっている時がたまに起こり得るのです。その理由は一体何であるのか、考えてみると、実に悩ましいものです。自尊心かもしれませんし、意地かもしれませんし、単なる驕りかもしれません。
つまりは、人間本来の煩悩と言ってしまうと、逃げ口実のような気がするくらいであり、もっと浅はかなレベルの人間の欲かもしれません。
私自身が相場判断したり、トレード判断したりする際に、出来るだけ具体的な判断基準を設けている理由は、このような浅はかな自分の欲に打ち克つ為でもあります。「スパンモデル」のシグナルを青色や赤色のシグナルにしているのも、また、最重要の指標である遅行スパンの色を最も目立つ紫色にしているのも、全て、相場の変化を目に焼き付けるようにする為です。
そして、自分の心に嘘をつかせないように、火を見るよりも明らかなように工夫しているわけです。そして、遅行スパンには逆らわない、各ラインとの位置関係は終値確定時点で確認する等々のシンプルな「ルール」を幾つも設けるようにしています。それによって、「相場と格闘しない」「相場と友達になる」ことを実現出来るように努めている次第です。
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