「順にいて逆を忘れず、逆にいて己を捨てず」
タイトルは、日本の相場格言ですが、意味することは、何事もうまくいっている時には、有頂天にならず、うまくいかなくなった時(逆境)のことを考え、何もかもうまくいかなくなった時には、自暴自棄にならず、耐え忍ぶことが大切だということです。
相場に当てはめてみると、例えば、あるトレンドに乗って、ついていっている時でも、トレンドが逆に向かうこともあり得ることを常に忘れずにおくこと、その一方で、相場が自分の判断と逆に推移しているからと言って自暴自棄にならず、冷静に相場を観察することが大切だということです。
確かに、「逆境」に耐えることの大切さは、比較的理解出来るのですが、これとて、本来の意味を取り違えると「命取り」になってしまいます。つまり、根拠なくただ耐えるだけでは、単なる言い訳になってしまうからであり、最悪の事態を招いてしまいかねないからです。
あくまで、自分の方針なり「ルール」があって、その中で耐え忍ぶ限りにおいて、生きてくるということです。この「自分のルール」作り、そして、その「ルール」に従えるかどうかがトレードで成功するかどうかの大きな決め手となってきます。
ところで、このように、「逆境」について触れられることは比較的多いのですが、「順境」について解説されるケースはあまりないようです。とにかく、うまくいっている時というのは、大きな落とし穴が待ち受けていることがよくあるので、重々、自分をコントロールしておくことが大切です。
そうかと言って、チャンスが訪れているのは事実であるわけで、その「順境」の状態をとことん味わい尽くすことが肝要です。具体的に、トレードにおいては、利食い幅を徹底的に伸ばすことが大切です。
せっかく、絶好のトレンドに乗って利を伸ばしている最中に、根拠なく値頃感から利食いを行ってしまって、その後の大相場を、ただ指をくわえて眺めているという事態にならないようにしたいものです。
それと同時に、今回の格言が教えてくれている通り、いつ何時、「順境」が「逆境」に変化するかもしれないということを念頭に置いておく姿勢は大事です。「順境」がピークに達する時というのは、往々にして、有頂天になっているもので、我を忘れてしまっていることもあるからです。
そんな時に、「相場の神様」が訪れてきて、チクリと刺すわけです。慢心していてはいけないぞ、と言わんばかりにです。一方、「もう駄目だ〜」と思った瞬間に、やはり、相場の神様がやって来て、ぎりぎりのところで救いの手を差し伸べてくれるということもあります。
ただ、このギリギリのタイミングが、「相場の神様」にとっては絶好のタイミングなのでしょうが、こちら人間にとっては、何故か「もう駄目だ〜」というタイミングが多いのは、どういうわけなのか、よく分かりません。
★お知らせ
ツイッター
http://twitter.com/murphyfx
フェイスブック内、「フェイスブックページ」
http://www.facebook.com/spanmodel