外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >マーフィーの日々是好日
  4. >トレードの心得
  5. >「捕らぬタヌキの皮算用」はやめよう

コラム & レポート

バックナンバー

マーフィーの日々是好日

「捕らぬタヌキの皮算用」はやめよう

トレードをやっていると、今のポジションがこうだから、今後、相場がどの水準にまで上がれば(もしくは、下がれば)幾らの儲けになると、電卓などで計算してしまうことがあります。

まさに、タイトルの通り、「とらたぬ」です。「とらたぬ」をやると、不思議なぐらい、相場の神様が怒るのか、相場に期待感を持つことに対する警告を与えようとするのか、自分のポジションが花開かないことが多いです。

恐らく、「とらたぬ」をやっている時の心の状態というのは、相場を冷静、客観的に見ていない、収益への欲望だけが前面に押し出されている状況だと察します。従って、好結果が伴いにくいという事態になりやすいのでしょう。

ただ単に「希望的観測」だけで、相場を見ているわけですから、相場に向かって「こうなれ!」と自分の思惑を押しつけてしまうわけです。

自分が主体となっていますから、相場のリズムに自分を合わせていない状態です。トレードでは、相場が主体であるべきで、自分が相場に合わせるべきなのです。それを間違って、自分の相場観を相場に押しつけようとするわけですから、上手くいくわけがありません。

私はこのことを経験的に体得しているものですから、滅多なことでは自分の収益予想などをして「とらたぬ」をしないように努めています。

よくやる失敗ですが、損失分を取り戻すには、今現在のポジションをキープするとして、どの水準にまで上がれば(下がれば)取り戻せると考えてしまうのは非常に危険な発想です。

尚、逆に、相場がどう変化すれば損失は幾らになると言う風に計算するのはOKです。このようにリスクシナリオなり最悪のシナリオを描いておくと、逆にそうなる確率が下がるものなのです。

もちろん、相場が自分の思惑に反する方向に大きく動いて、望まない事態に陥った時には、落ち着いて対処出来るようになりますから、リスク管理上のメリットは大きいと言えるわけです。実に相場というのは、面白いものだと痛感します。

★お知らせ
ツイッター
http://twitter.com/murphyfx
フェイスブック内、ファンページ
http://www.facebook.com/spanmodel


プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

ニュースクラウド