大難を小難に、小難を無難に
表題は、「大難(大変難しいこと)を小難(少し難しいこと)に、小難(少し難しいこと)を無難(あまり難しくないこと)に」という意味合いであり、私の好きな言葉です。
尚、ここでは「相場」を対象としていますので、「無難」と言っても、「難」が完全に無くなるわけではないことをご理解下さい。
さて、そもそも、相場とは「大難」です。その「大難」である相場に対して「小難」や「無難」のトレードを行う為にはどうしたら良いのかを、私は日夜考えています。
本来、相場とは、数学や物理のように理路整然と説明がつくものではありません。それでも、テクニカル分析を用いることで、かなりの程度まで、方向性、トレンド性、トレンド性の強弱を把握することは出来ます。
もっとも、把握することが出来るとは言っても、誤算の部分が生じるのは日常茶飯事です。この誤差をどこまで小さく出来るかを追求すると同時に、こちらサイド(私達、市場参加者)がどこまで許容出来るようにするかも、成功する為の大きな要素となります。
つまり、「大難」である、荒れ狂う相場に対して、如何にして「小難」や「無難」なトレードが出来るかどうかが大きなテーマとなるわけです。言い換えると、相場に立ち向かうトレードに対して、完璧を求めることは不可能だということです。
早い話が、高値売り、安値買いは絶対に出来ません。しかしながら、高値圏での売り、安値圏での買いを、出来る限り行うことを目指す過程に意義があり、ロマンがあります。これは、まさに、「技術論」のレベルの話であり、より具体的な内容のものです。
従って、ある程度の「数値化」も必要となってきます。逆に言うと、「数値化」出来ないものは、根拠のない判断基準となるため、実際のトレードへの応用は難しいものとなります。
そして、この「数値化」の過程において、数学や物理のように完璧な数値ではないにせよ、グレーの部分を含むことになるにせよ、相場という「大難」を、「小難」や「無難」なトレードをする為に、僅かでも工夫を加えることが出来れば、それはそれで成功だと私は思っています。
ところで、日頃、お付き合いをしていている個人投資家の方々の中には、常に「完璧」を求める方もいらっしゃり、時々、戸惑うことがあります。そもそも、私は、相場なるもの、基本的には、一寸先は闇だと思っています。
金融工学としての「オプション理論」が開発されるに至るベースとなる理論は、相場においては、ある時点から先の未来において起こる確率は上昇50%、下降50%という考え方です。つまりは、「ランダムウォーク」という理論です。よく例えられるのが、酔っ払いの人が歩いていく方向はまったくのでたらめであり、右と左を選択出来る場合、いずれの方向も50%という考え方から成り立っています。
すなわち、極論するまでもなく、上にも下にもどちらにも動く可能性を秘めているのが相場だということです。従って、このような、一寸先は闇と言っても良いものを対象としている中で、少しでも確率の高い予測方法を見出すことが出来ること自体、私は画期的だと思っています。
コインの表か裏かという、フィフティ・フィフティの確率の相場に対して、55パーセントでも60パーセントでも、少しでも精度を上げることが出来れば、これほど素晴らしいことはないと考えます。
つまりは、大難を小難に、小難を無難にすることが出来る「トレード技術」なるものを生み出すことが出来れば、不満を言うどころか、感謝の気持ちがいくら高まっても良いと思っています。
このように優れた「トレード技術」を開発することは、一種のロマンだと思えるからこそ、毎日、過酷な相場と向き合うことが出来るのかもしれません。
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