苦しい時はとにかくポジションを減らせ
トレードをしていて苦しい時は誰にでもあります。考えた挙句にようやくポジションを持った途端にアゲンスト(逆方向)に向かうことは決して珍しいことではありません。
相場が自分のポジションの方向と逆方向にどんどん推移、展開していくと、よほど、鈍感な人でもない限り、内心穏やかなならぬ精神状態になってしまいます。
そして、山っ気のある人は俗に言うナンピンを入れて、さらにポジションを増やしてしまいます。ナンピン全てが悪いわけではなく、ただ闇雲に行うナンピンによって、さらに危険な状態に陥ってしまいます。
こうなると、大抵の場合、精神的にコントロール不能となってしまい、さらにアゲンストに推移する相場を茫然自失で眺めているだけの状態になってしまいます。そして、自分の保証金の額は必要保証金に足りているのかどうか、マージンコールがかからないかどうか、ロスカットレベルがヒットしないかどうか等々を、ただ受動的に見ているだけになってしまいます。
そのような状態にならないように、普段から資金管理、ポジション管理をしっかりと行うことが大切なのは当然なのですが、もし、仮に、こうなった時に、お勧めすることは、まずは、ポジションを減らすことです。
いきなり全てのポジションをカットするとなると、精神状態からして、それこそ、ド高値、ド安値でカットしかねませんので、せめて一部、4分の1なり3分の1だけでもポジションカットしてみるのです。
すると、不思議なほど、心が冷静になることが分かります。そして、自分の行動を客観的に判断出来るようになります。そうすると、相場を改めて沈着に観察することが出来、その結果、自分の判断が間違っていたと気付けば、残りのポジションを手仕舞するなり、調整するなり、つまりは、ポジション管理をすることが出来るようになるわけです。
私も過去に何度も経験があるのですが、パンパンのポジション(限度額一杯のポジション)を持った時は、あまり上手くいかないものです。そんな時は、ポジションを減らしてみることで、その後の展開が好転したのをよく覚えています。きっと相場の神様が許してくれたのかなと内心思ったことは何度もあります。
また、こんな方法もあります。それは自分の腐ったポジションの一部でもマーケットに「生贄(いけにえ)」として捧げる感覚で、ロスカットするのです。すると、それをきっかけに相場の流れを読みやすくなることがあります。そして、不思議と、残りのポジションが花開くかのように、相場展開が自分に有利に推移することがあるのです。
いずれにしても、ポジションを減らすことで、自分の精神状態をコントロールすることが出来るようになり、冷静になって、客観的な判断が行えるようになるという大きなメリットがあります。このように、トレードにおいて、精神管理は、大変に大きな要素だということです。
今現在の相場、そして、それに対する自分のポジションは、自分の心を映していると言っても過言ではなさそうです。相場の奥深さを痛感する毎日です。
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