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マーフィーの日々是好日

「終着駅の次の駅」で降りるということ

ここで言う「終着駅」とは高値や安値を指します。つまり、「終着駅の次の駅で降りる」の意味とは、高値や安値はどこなのか分からないけれども、高値や安値 を確認した後に、相場の変化を確かめながら、それまでの流れから降りる、もしくは、新たな流れに乗ることが大事、ということです。

そもそも、相場がどこまで上昇するのか、どこまで下降するのか、決定的なことは後にならないと分からないものです。確かに、ある程度察しが付くかもしれないけれど、決して、高値売りや安値買いにこだわる必要はないと考えます。

むしろ、高値売りや安値買いにこだわるからこそ、焦りから、早く売ってしまったり、買ってしまったりして、「ほぞを噛んでしまう」のです。そうしてしまう背景は、やはり、焦りであり、収益に対する貪欲さです。もちろん、収益に対してあくなき追求心があるのは良いのですが、あまりに執着してしまうと、逆効果になるということです。

今回の高値圏での売りを逃したら二度とこんな絶好のチャンスは訪れないという気持ちがそうさせるのです。私自身も過去を振り返って、「こんなチャンスを逃したらいけない」という焦りを覚えたことは何度もありました。しかしながら、やはり思い出すのは、チャンスは無限に近いくらい訪れ続けたという事実です。

個人投資家に多いスタンスは、「決め打ち」です。この1回のトレードで大きな収益を得てやるんだとか、長期ポジションを作るんだという類の発想です。この発想は、FXでは、もっとも危険な考え方の1つだという認識が大切です。

とにかく、まずは、相場の高値売り、安値買いは絶対に出来るわけがない、というくらいの開き直りの姿勢があって丁度良いくらいと思います。買ったり売ったりすれば良いのだという軽い気持ちの方が上手くいくものです。

そして、頭に入れておくべきことは、相場というものは動き出してから、その新たな流れに2番手、3番手で乗っても決して遅くないということです。むしろ、その方が、ストレスも小さく怪我も少なくすむようです。

具体的なトレード方法として、1つお勧めは、ポジションを幾つにも分けて持つことです。そうすれば、高値圏だと判断すれば売り上がる、安値圏だと判断すれば買い下がることが出来ます。「点」ではなく、「線」や「ゾーン」で攻める感覚が大事だということです。

恐らく、相場を少しは「かじった」ことのある方ならお分かりだと思いますが、自分が安値圏だと思って買ってからさらに大きく下がったことや、自分が高値圏だと思って売ってからさらに大きく上がったことを何度も体験されているはずです。

そうなのです。相場とは、「動き出してから大きく動く」ということです。それなのに、動き出した初動の時に、早々と行動に出てしまって肝心なところを「美味しく食べる」ことが出来ないことが多いものです。

そう言う意味で、「終着駅」を確認するぐらいの心の余裕を持って、目の前の動きを見送るぐらいが望ましいです。すなわち、「終着駅の次の駅」で降りるぐらいの気持ちが大切だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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