相場は高いからもっと上がる、安いからもっと下がる
強い相場は、高いからもっと上がるものであり、弱い相場は、安いからもっと下がるものです。高いということは高くなる理由があって高いということであり、安いというのは安くなる理由があって安いということです。
別の表現をすると、押し目のない相場は勢いよく上昇し、戻りのない相場は勢いよく下落するということです。押し目があれば買おうと思って待っていても、なかなか押し目がなく買えない状況や、戻りがあれば売ろうと思って待っていても、なかなか戻り目がなくて売れない状況を思い出して下さい。
そして、押しが簡単に入る相場はあまり上がらないものです。同様に、戻りが簡単に入る相場はあまり下がらないものです。すなわち、押し目を待って簡単に買えてしまう相場とのは、その後、あまり上がらないものであり、戻りを待って簡単に売れてしまう相場というのは、その後、あまり下がらないものだということです。
ですから、怖いくらいの感覚で高いレベルを買っていく、もしくは低いレベルを売っていくぐらいで、初めて相場の波に乗れるということです。相場の波に乗るということは、言葉で表現するほど、楽に気持ちの良いものではないということです。
繰り返しになりますが、市場参加者の立場からすると、多くの人が買いたくても買えない相場は上昇しやすく、多くの人が売りたくても売れない相場は下落しやすいということです。
冒頭に高くなる理由、安くなる理由があると表現しましたが、このことは、相場の需給面から考えると分かりやすいかもしれません。どれだけ買いたい人がいるのかどうか、そして、買えていない人が待っているのか、または、どれだけ売りたい人がいるのかどうか、そして、売れていない人が待っているのか等々ということが広義での需給面での解釈です。
相場とは、かいつまんで言うと、広い意味での買い手と売り手が存在していて、両者が納得のいくところで落ち着いた場所、レベルのことです。日足ベースの終値とは、その日の世界中の全取引が終了して、買い手と売り手が納得したレベルという風に言い換えることが出来ます。
相場変動の背景を、買い手、売り手の面から考えていくと、実際に動いている相場の中での、上下運動する波動の説明がしやすくなります。説明の為の説明ではなく、実際の相場の動きを把握する上で、大変有益な考え方でもあります。また、このように理解しておけば、自分のトレード能力の向上にも役立てることが出来ます。買いたくても買えない相場では、指値で待っていても買えない、だから、成り行きで買うといったような戦略がとれるわけです。
さらに、下手なレベル感、値頃感などを持つ必要はない、持つことは危険であることが理解出来ると思います。「相場と友達になる」とは、このようなことだということをご理解して頂けると思います。
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