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マーフィーの日々是好日

トレードで「復讐心」を持つことは危険

トレードで「復讐心」という表現を使うのはちょっと語弊があるかもしれませんが、他に適当な言葉が見つかりません。「リベンジ」と表現しても良いかもしれません。

「復讐」にしても、「リベンジ」にしても、実感としてはかなり近いものがあると思っています。つまり、トレードで失った損失はトレードで 取り戻してやると言った「意地」のようなものがあり、日頃のマーケットでの冷静な判断を妨げているケースは意外と多いと思われるのです。

この「復讐心」「リベンジ」の気持ちが最悪の状態になってしまうと、延々と同じ方向のポジションしかとらなくなります。ロングポジションで大きくやられた場合、たとえ一旦ロスカットしても、その後、レベルに関わらず、また相場観などお構いなしに、いつもロングポジションを持ちたがるのは、相場を全く無視してしまっているとしか言いようがありません。

単に感情的な面だけの問題にとどまらず、自分の相場観をマーケットに押しつけてしまって、一旦やられたポジションと同方向のポジションで収益を狙い、「復讐」「リベンジ」だけをしようとしているのです。一種の「かたき討ち」と言っても良いでしょう。一旦ロスカットしたポジションのことをいつまでも覚えていて、同じ方向、同じ金額のポジションを建てて、トレードするのは、まるで目の前のマーケットのことなどお構いなしで、ただ単に自分が失ったものを取り返す感覚であるかのようです。

私達が相手にするものは、目の前のマーケットであって、自分のポジションではありません。ポジションはあくまで収益を上げる為の手段に過ぎないわけです。まさに、本末転倒のことをやっていては、相場で収益を上げることは出来ないのです。要するに、ここでの大きな問題は、このように前のトレードでの損失を取り戻そうとすると、相場と敵対関係になってしまうことです。本来、マーケットと共に歩み、踊り、歩調を合わせることで収益を上げるトレードを行うはずが、マーケットと対立関係になってしまうのです

マーケットに参加するに際して、今回のマーケットに対して、前回の自分が失敗トレードをした時のマーケットと同様の動きを期待し、今度は、間違いを繰り返すまい、そして、「正しい」トレードを行うぞと念じながら、いわば先入観を持って入っていくわけです。このようなマーケットに対する思い込みのような姿勢こそが、今現在、目の前に起こっているマーケットの動きを見る目を曇らせてしまうのです。

「復讐心」でもってリベンジの気持ちでマーケットに向かう時は往々にしてこのような状況に陥ってしまうわけです。この点からも私達の心のあり方が、如何に大切かがお分かりになるかと思います。つまりは、トレードでは、精神的コントロールが大事だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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