相場の側に立って観察してみよう!
今週の為替相場は、先週の大相場と異なり、比較的小動きの相場展開となりました。
大相場の後には膠着した相場、小動きの相場が訪れることが多い一方で、膠着した相場、小動きの相場の後には、大相場が訪れる確率が高いです。まさに、相場は「生き物」のようなものであり、動いたり、動かなかったり、大きく変動したり、小さく変動したりします。しかも、その動きを見ていると、波形とも波動とも受け取れるものが存在しています。そして、それぞれリズミカルに動く様は、まるで音楽の旋律のようでもあります。
また、相場をチャートに表すと、そのチャートがどの時間軸のチャートであるか、一見しても分からないものです。つまり、1分足チャートなのか、60分足チャートなのか、日足チャートなのか、月足チャートなのか、価格を無視して見ると、識別は決して簡単ではありません。時間軸を変えても同じように見えることから、相場には「相似性」があると考えて良いわけです。「フラクタル」という概念が適用されるのもうなずけます。
ところで、先ほど申し上げた通り、相場は、動く前には動かないものであり、動いた後はあまり動かなくなる習性があります。逆に言うと、動く為には、動かないことが必要であるとも言えます。私達にとっては、動く相場の方が収益チャンスが多いわけですから、当然のことながら、よく動く相場を望みます。しかも、出来ることなら、一方向に動いてくれた方がありがたいわけです。
しかしながら、相場は相場の都合で動いていますから、こちらの都合に合わせて動いてくれません。だからこそ「相場」と言えるのです。「相場」であるからこそ、大多数の期待通りには動いてくれないもの、「大衆のコンセンサス」に沿って動いてくれないものだということです。
この点は、相場が動く時間帯についても同様のことが言えます。すなわち、相場はこちらが都合の良い時間に動いてくれるとは限りません。マーケットをウォッチするには、パソコンを立ち上げるか、スマートフォン、もしくは携帯が必須となりますが、本職としての仕事がある人は、マーケットをウォッチするには、どうしても制約があります。また、時間的余裕のある人でも、夜通し見ているわけにもいきません。体力が持たないですし、集中力、判断力も減退します。
相場は、大多数の人の期待通りに動くものではないものですが、相場の方向性や変動率だけでなく、相場が動く時間帯についても言えるわけです。ほとんど誰もが見ている時間帯はあまり動かず、市場が移る間際や、間隙をぬって動くことが多いのです。月曜日の早朝など、市場参加者が少ない時に動きやすい背景でもあります。もっとも、最近は、電子ブローキングの影響もあり、以前ほどは、市場参加者の多寡が大きな要因とはなっていないようです。
いずれにしても、相場はこちらの都合を聞いてくれません。こちらが動いて欲しい時に動くという具合に融通を利かしてくれるわけではないのです。だからこそ、私達が取るべきスタンスは、その時の相場の動きやリズムに自分を合わせることです。そして、その動きやリズムを把握する為の「判断技術」を身に付けることが肝要だということです。
相手である相場に主軸を置くということが大事であり、決して自分サイドに主軸を置かないことが重要な点です。相場の側に立って、相場を観察し、トレードするスタンスが大切だということです。
言い換えると、トレードが上手くいかない人は、自分の都合を中心に考えている為に、相場、マーケットそのものと向かい会っていないことが原因であると考えられます。相場の動きにどこまで自分を合わすことが出来るかに主眼を置いて、毎日の相場を見ていくと、成功トレード実現の為のヒントが現れると思います。