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マーフィーの日々是好日

トレードにおける「心の管理」(3)

昨今、相場を始める方に多い現象として、前回、前々回号で申し上げている「フラストレーション・トレランス(欲求不満に耐える能力)」が低下していることが原因で、上手くトレード出来ない人々が増えていると思えます。

ただ、こうなると、忍耐力がない状態であることを認めるところからスタートしても良いとも考えられます。そして、人間というのは忍耐力がなく、本来弱いものだと自覚してしまうわけです。その上で、この相場という過酷な世界を相手に、トレードでお金儲けするに際して、あれこれ考えず、極力、シンプルな判断方法を選択すれば良いと思います。

宣伝になってしまいますが、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を生み出した背景は、本来人間とは、弱いものだというものを認めて、弱いなりに、どのようにしたら、より「フラストレーション」を少なくしてトレード出来るかを考えたことです。例えば、「スパンモデル」にはゾーンの色が赤色と青色があり、火を見るよりも明らかな売買シグナルがあります。また、遅行スパンについても一目瞭然です。また、「スーパーボリンジャー」について、終値で判断するという「ルール」を設けてあるのも、相場が動いている途中であれこれ悩むことを防ぐ為でもあります。尚、この「終値で
判断」するというのは、私の相場分析の中でほとんどにおいて占める重要な基準です。

自分自身を振り返って、あの時、何故自分が判断した通りに行動出来なかったのかと振り返ることが多かったことを思い出し、判断そのものを目の当たりに白黒はっきりと教えてくれる方法を考えていると、自分なりのオリジナリティを加えた「トレード技術」が生まれることとなったわけです。もっとも、判断を行うに当たって、曖昧な面が付いて回るのは仕方ありません。完全に「デジタル風に」白黒はっきりさせることが出来ないのは、相場をやっている以上、宿命だと思っています。

私は、相場なるものは、本来、そうはっきりと明白に判断出来るものではないもの、非常に難儀なものなのだということを前提として考えています。この点は、私がシステムトレードに関心を持てない背景・理由でもあります。その難儀なる相場に対して、1つでも、2つでも「勝ちパターン」につながるトレードが出来るように、判断基準を明確にし、「トレードルール」を増やしていくことが大事だと考えています。

私の「トレードルール」自体は、「デジタル」そのものであり、買いか売りか、明白なものとなっていますが、実際には、「アナログ風」の判断も必要となっている点は否め
ません。それが、本来の相場を相手していく中で大切だと思うからです。忍耐力が落ちていると感じる方にとって、エントリー(入口)やエグジット(出口)についての明確な指針を教えてくれる「トレード技術」を身に付けることが最優先だと思う次第です。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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