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マーフィーの日々是好日

FXの醍醐味はやはりスイングトレード

最近、改めて、思ったことですが、個人投資家の方は、相場が動かなくなると、特に苦戦を強いられているということです。相場が動かなくなるということは、レンジ相場、揉み合い相場であるということですが、まさに、トレンドがない相場であり、一般的に、収益性が低くなるのはどうしても否めません。

私も、よく、セミナーや有料掲示板などで、トレンドのある相場を相手しましょうと申し上げているので、そもそも、トレンド性に欠ける相場展開を相手にする必要はないと思います。ただ、ここで問題となるのは、日足ベースで相場が、揉み合い、レンジ相場であったとしても、実は、60分足ベースでは、頻繁にトレンドが生まれていることも多いという事実です。

個人投資家の方が比較的頻繁に使われる言葉の中に、「中・長期のポジションにする」と言うのがあります。恐らくは、中長期的に、べったりとポジションをキープすることで、大きく収益を狙うことを目論んでいらっしゃるのかもしれません。確かに、例えば、ドル円相場にて、1ドル=82円でドルを買い、1ドル=90円でドルを売れば、相当な収益になることは簡単に想像出来ます。しかしながら、仮にドル円相場が上昇するにしても、1ドル=82円から1ドル=90円まで上昇するのにどれほどの時間が掛かるでしょうか?

もちろん、相場ですから、何が起こるかは分かりません。一寸先は闇と言っても過言ではないのが相場の世界です。しかしながら、少なくとも、過去の相場を見る限り、ドル円相場を例にとっても、5円や7円動くには相当な時間を要すると察しがつきます。

しかも、このようなポジションの取り方をされる方にかぎって、毎日の相場展開が気になり、目の前で動いている相場に何度も手を出そうとするのです。恐らく、その方にとっては、矛盾していない行動なのでしょうが、ご自身の中で、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードの区別がなされていないのでしょう。

ドル円相場で5円、7円、さらに10円程度の利食いをお考えの方であれば、それこそ、最低でも日足チャートで充分ですし、週足チャートを見ると良いと思います。日中のマーケットの動きを見て、あれこれ、相場を考えるなどというのは、理に適っていないと言わざるを得ないのです。

また、そのような方は、当然のことながら、レバレッジも極力小さなものでなければならないと思います。それこそ、3倍程度で良いのではないかと思います。さすがに、1倍となると、外貨預金と一緒になってしまいますから、外貨預金のつもりでFXをするのだという人でもない限りは、ある程度のレバレッジ倍率が必要でしょう。

さて、ここで、重要なことは何かと言うと、上記のようなトレードを決して頭から否定するつもりはありませんが、FXをやる醍醐味というのは、やはり、短期のトレードにあるということです。仮にレバレッジ3倍程度で5円、7円程度の収益を狙うトレード方法では、あまりにも効率が悪すぎます。

しかも、自分の思惑が相場の方向性と合致していれば良いのですが、やはり、「機会損失」が大き過ぎます。「機会損失」が大きいということは、その資金を他の方法でトレードしていれば上げられたであろう収益を得る機会を失っていることになるわけです。

ましてや、自分の思惑と逆方向に相場が動いた時に、レバレッジが低い分、ロスカットを行う判断がどうしても遅れてしまう傾向にあります。どうせ、損してもたかが知れているとばかりに、いつまでもポジションを放置することになりかねません。そうなると、機会損失はもちろんのこと、大きな評価損を抱えることになるわけです。これでは、何の為にFXをやっているのか分からなくなります。

やはり、FXの醍醐味は俗に言う「スイングトレード」にあります。それも、出来ることなら、宵越しでポジションをキープするトレードをしたいものです。逆に言うと、就寝時にポジションを持つほどのリスク許容度のない方は、デイトレードに徹するべきです。

ただ、デイトレードを行うとなると、それなりの「トレード技術」がないと、やればやるほど資金は減少していきます。「トレード技術」とは、どこで買って、どこで売るのかというトレード判断上のスキルのことです。相場の材料、例えば経済指標などの分析能力のことを言っているわけではありません。相場材料を如何に理路整然と説明出来ても、収益には何ら貢献しないからです。

相場に参加するのであれば、この「トレード技術」がないと致命傷を負うことになるのに時間は掛かりません。従って、経済指標等の勉強をするぐらいなら、一刻も早く「トレード技術」の習得と慣れに時間を注ぐことが大切だということです。

そもそも、中長期のトレードを考えていらっしゃる人にとって、日中の動きを気にしてはならないわけです。お勧めするのは日足の終値です。日足終値ベースにて1日1回、相場の判断を行うのが日足ベースのトレードです。日足チャートを見るということはそういうことです。

従って、日足ベースの判断を1日1回繰り返していけば、それが結果として、中期、長期のポジションとなっていくわけです。くれぐれも、ポジションを持つ時に、このポジションは中長期で持つのだと決めつけたりしないことです。

ポジションを持つタイミングを計る際にあれこれ判断するにしても、どれだけの期間持とうとか、どれだけの値幅を取ろうとか、決めつけてしまうことは極めて危険な行為です。時間分析によほど熟練でもしていれば、どのぐらいの期間、このポジションをキープしようかというアイデアが出るかもしれませんが、滅多に出来ることではありません。従って、毎日、終値が確定した段階で、翌日以降のポジションをどうするかの判断、決断を行うべきだということです。

尚、先ほど、申し上げた通り、FXの醍醐味は、スイングトレードです。人によっては、デイトレードかもしれません。これらのトレードを行う上で大切なのは、やはり、「トレード技術」ですが、私の場合、基本的には、全て、終値で判断します。終値で判断する以上、終値が確定するまでは、原則として、アクションは起こしません。

例えば、60分足チャートでトレードしている限りは、60分足終値が確定するまでは、売買判断は決定しないわけです。従って、この60分間の間のリスクはどうしても生じます。もちろん、瞬間的に大きく動く場合もありますから、そのような価格変動リスクに備える為、つまり、不測の事態に対応する為の「ストップロス」注文はあって良いです。

しかし、よほどの不測の事態しない限り、60分足ベースでトレードしていて、「トレード技術」を正しく判断している限りは、「ストップロス」に掛かる心配はほとんどあり得ないということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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