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マーフィーの日々是好日

エントリーより手仕舞を重視しよう

今日は、トレードに関する本質的なお話をしてみたいと思います。一見たわいもない内容に聞こえるかもしれませんが、中身は奥深いことがお分かり頂けると思います。

相場とは「恐ろしいもの」です。良い意味でも悪い意味でも・・。どういうことかと言うと、仮にトレードを15回行うチャンスを与えられるとします。

ちょうど、相撲力士が1回の「場所」で15日間相撲をとるのと同じです。相撲の世界では、8勝すれば給金が付くと言います。つまりは、その「場所」に関しては「仕事をした」ということになるわけです。

ところが、相場の世界はそうはいかないのです。たとえ、13勝2敗でも大損することがあるからです。相場、つまりトレードでは、勝率を重視するかどうかの議論は、大した議論ではないのです。

このように言い換えることも出来ます。トレードでは、エントリーのレベル云々ではないのです。どこで手仕舞うかが再重要なわけです。

もっと、極端なことを言います。

トレードでは、どこで買うかどこで売るかは確かに重要です。しかし、実は、それ以上に、どこで手仕舞うかが重要なのです。

このようにも言えるかもしれません。

エントリーはどこでも良いのです。どこで損切り、どこで利食いをいれるかに関しての「ルール」があれば、それで充分なのです。ほとんどの人達は、エントリーの時点で、これから相場が上がるのか、それとも下がるのかだけを気にしているようです。

実は、もっと大事なことがあるのです。

それは、エントリーした後で、この相場はどこで終わるかということです。終わりを正しく判断して、終わりの時点で手仕舞する力が大切なわけです。そうすれば、どこでエントリーしても構わないわけです。コインを投げて表裏でエントリーを判断しても良いということです。

一旦持ったポジションを正しいタイミングで手仕舞うことが出来るかどうかが、全てと言っても過言ではないかもしれません。「終わり良ければ全て良し」と言う言葉がありますが、ことトレードに関してはその通りなのです。もちろん、エントリーするタイミングが良いに越したことはありません。

ここまでお読みになって、既にトレードに精通されている方ならお分かりの通り、買いか売りかを判断するのは、エントリー、手仕舞、どちらのタイミングでも同様に大切ということです。しかし、世の中の傾向として、いつも重視されるのが、どこでエントリーすることにあまりに焦点が置かれる為に、既にあるポジションの管理がおろそかになってしまいがちだということです。

従って、正しく、買いか売りかを判断出来て、その後のポジション操作を淡々と出来るひとは、エントリー、手仕舞の区別をしていないことになります。別の観点から言いたいのは、買いと判断するから買う、売りと判断するか売るということが最重要であって、利食いか損切りはあくまで結果論ということです。

「利食いが良くて損切りが悪い」わけではないということです。二元論的発想ほど危険なものはないということですね。

買いと判断する時に、売っていることが悪いのであり、売りと判断する時に、買っていることが悪いということです。ここで、買いと正しく判断する、売りと正しく判断するテクニックは、本当の意味での「トレード技術」です。

この正しい判断を出来る本当の「トレード技術」を持ってさえいれば、そして、その正しい判断通りにトレードすることが出来る「強靭な精神力」さえ持っていれば、トレードで成功したのも同然ということです。

例えば、こんな風にも言うことが出来ます。自分としては、正しく判断したつもりで、エントリーしたとします。ところが、ロングだ、ショートだと判断して、エントリーした後で、相場が、自分が思った方向に推移していかないケースも当然起こりえるわけです。早い話が、相場である以上、一寸先は闇であるということです。

エントリーした後に、すぐに逆向きに展開して、損失につながるかもしれませんが、思惑通りの方向に、大きく動いて、莫大な利益につながるかもしれないのです。従って、莫大利益につながる相場となった場合は、どこまでそのポジションをキープ出来るか最重要の課題なのです。

一方、損失につながる相場だと判断した瞬間に、いち早くそのポジションから撤退出来るかどうかが最重要課題なのです。その意味で、エントリーよりも、手仕舞が遥かに大事だということです。この手仕舞を上手くやれるかどうかは、言い換えると、リスク管理が上手に出来るかどうかだということです。

このように考えてくると、リスク管理とは、とどのつまり、買いと判断したら躊躇なく買う、売りと判断したら躊躇なく売るというだけのことなのです。つまりは、素晴らしいリスク管理システムを持っているいないに関わらず、トレードで成功出来るかどうかは、その人自身の「決断力」に掛かっているとも言えるのです。

と言うわけで、どこでエントリーしようか、売買を仕掛けようかと考え悩むのはやめることをお勧めします。その為にも、一旦エントリーした相場が、「今、現在」買い優勢なのか売り優勢なのかを判断する技術を身に付け、磨くようにしましょう。

ここでご参考にして頂けるアドバイスを1つ。

負けが込んできたら、ポジションサイズを小さくすることです。負けが込むとどうしても意地を張り、頑固になってしまいがちです。そんな時にポジションを拡大するのは致命的です。

と言うわけで、悪循環にならない為に、マイナス方向にいけばポジションを減らし、逆に、プラス方向にいけばポジションを増やしましょう。このようにする背景には、相場独特の特性があるからです。それは、相場の持つ「加速度」と言う特性です。

簡単に言うと、相場というものは、動き出すと大きく動くということです。動かなくなると、どんどん動きが小さくなるのです。この辺りの感覚は、スーパーボリンジャーのバンド幅の拡大から想像して頂くと分かりやすいかもしれません。

バンド幅が拡大に向かうと大きく動くこと、そして、往々にしてトレンドを伴うということです。多くの投資家の皆さまは、相場の動きがこれから小さくなる時にエントリーしてウンウンと悩んでいます。もしくは、小さい状態が続いている最にエントリーしてエネルギーを消耗しているようです。

そうではなくて、相場のトレンドが発生したのを確認してエントリーすることです。別に、既に発生している相場にエントリーしても、もちろん構いません。どのような判断基準でトレンド発生するかは、私が有料掲示板にて詳しくレポートさせて頂いています。簡単なところは、今回発刊しました私の書籍「マーフィーの最強スパンモデルFX投資法」(日本実業出版社)を参考にして頂いても良いです。あと、ブログでも一部ご紹介していますので、ご参考にして下さい。

大きな収益チャンスをきちんと生かすことが出来れば、普段、少々負けが込んでいても問題ないです。先ほど、大相撲の例で説明した通り、相撲の世界とは違って、相場の世界では13勝2敗でも大損することもあれば、極端な話、2勝13敗でも勝てるのです。

相場の世界では、とにかく「規律」(ルール)を守れるかどうか、そして、「決断力」があるかどうかが成功への大きな決め手です。その為、相場においては、少額から始めて大きく資産を増やす人もいれば、大金をつぎ込んで始めても無一文になる人もいるということです。

今後とも皆様のトレードを応援させて頂きます。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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