1分足スパンモデルを用いた実際のトレード
以下は、本日発行しました無料メルマガからの抜粋です。
特に、後半部分にて1分足スパンモデルの利用方法について、今週末の米国雇用統計後のドル円相場を具体例として解説していますので、どうぞ、ご参考にされて下さい。
■皆様、今週もお疲れ様でした。週末金曜日に発表になった8月分の米国雇用統計をきっかけに乱高下する動きも見られただけに、最後にまた疲れが残った方もいらっしゃるかもしれません。一方で、上手くマーケットの動きに乗れて、収益を増やすことが出来た方もいらっしゃることでしょう。どのような経験をされたとしても、過去の出来事は全て起こってしまったことであり、悔やむ必要はありません。何故なら、全て、現在も含めた、これからの将来に生きてくるからです。
成功する人は、過去のことを未来への教訓としてあらゆる出来事を糧にしていきます。一方で、成功しない人は、過去のことをいつまでも悔んで自分を責めてしまいます。中には、周りのせいにしてしまう人もいるようです。自分の身の周りに生じていることは、全て自分が引き起こしているのだという認識が大切ですが、全て意味があって生じているのだと思った時点から、プラス方向に進むことが出来ます。
あの成功コーチングで有名なジェームス・スキナー氏は、「人生には成功する経験と学ぶ経験の2つしかない」と言っています。つまりは、失敗はないということです。そして、望む結果が得られていなければ、ただアプローチを変えれば良いのだと勧めています。
さて、それでは、今週の相場を振り返りながら、これからの相場にどう生かしていけば良いか考えてみましょう。
■「FXに一攫千金はない」
まず、大きな枠組みの観点からお話し、その後に、具体的な課題に入っていきたいと思います。
一般論として、FXや株式投資にて、一攫千金を夢見る人は後を絶たないようです。確かに、一般世間では、簡単に儲かるかのごとく宣伝している雑誌等も多いこと、各FX会社の広告も影響して、新規参入されてくる個人投資家も多いと聞きます。しかしながら、決して脅すつもりはないのですが、しっかりとした「トレード技術」なく、安易にトレードし始めると、せっかくのトラの子の自己資金をマーケットに献上することになりかねません。
実際のところ、FXなり、株式相場をよく知っている人ほど、甘い幻想を持たず、慎重なスタンスでマーケットに入っているようです。一方で、FXや株式のことをあまり知らない人ほど、過大な期待を抱き、一攫千金を夢見て、安易にマーケットに入っていくようです。FXさえ始めれば、短期間のうちに資産が何倍にも膨れ上がり、お金持ちになれると思い込んでいる人達が意外と多いのには驚かされます。実際に大きく収益を上げることが出来る人は一握りの人だけだと申し上げると、どこからか非難されそうですが、事実はそうなのだという点を認めることからスタートした方が良いです。
実際問題、多くの個人投資家が、マーケットに幻滅して、退却されていくようですが、これは、実に悲しいことです。たまたま、最初のアプローチを間違えるだけ、もしくは、初歩の段階で間違った理解をしただけで、FXなり、株式投資にネガティブな印象を持ったまま去っていかれることは実に残念なことです。いつも思うことですが、投資に向いている人がいる、投資に向いていない人がいるという議論はあまり意味がありません。より正しくは、正しい投資方法を学んだか、そうでないかということです。
正しい投資方法を学んで、正しい「トレード技術」を身につければ、ほとんど誰でも、意欲さえあれば、そして、努力さえすれば、生涯収益(キャリアプロフィット)を増大させることが出来ます。
さて、ここで大事なことは、「一攫千金を目指さないこと」です。よく、FXをやる以上は、2割や3割儲けても仕方ない、1年で2倍、3倍にしないと意味がない、などと言う人がいます。中には怪しい触れ込みで「何日間で何百万円の収益」「何か月で何千万円の収益」と言った風な誇大広告を堂々としている輩もいるぐらいです。
しかしながら、このような安直な儲け話や、投資そのものに対する安易な考え方、スタンスはとても危険だと思います。正しいトレード技術を学べば、「結果として」1年で2倍や3倍になることはあり得ますが、初めから、安易にそのような高収益を目指してトレードを始めると、ろくなことはありません。
どういうことかと言うと、2倍、3倍を目論んでトレードを始めると、目一杯利食いをしようとの欲が膨らんで、利食いを遅らせてしまうケースが出てきます。もちろん、この利食いを伸ばすこと自体は、決して悪いことではなく、むしろ理想的なことです。ただし、条件として、正しいトレード技術に裏打ちされている場合に限るわけです。
つまり、ここで問題なのは、ただただ、大きく利食いたいばかりにポジションを大きくし過ぎたり、損失確定を嫌って、ポジションを引っ張ったりしていると、相場が自分の思惑と逆に動き出した時に、ポジションを調整し辛くなるということです。この「ポジション調整」とは、相場で生き残るために実に大事な行為なのです。
FXというのは、1日24時間動いているわけであり、1日に何度も上がったり下がったりします。この1日の中の波動を丁寧に捉えて乗っていくことが出来れば、収益チャンスは無限大に拡大していきます。もちろん、当たり前のことですが、ただ、闇雲にトレードの回数を増やすことが良いわけではないです。繰り返しになりますが、正しい「トレード技術」をベースとした、機動的な売買を繰り返すことで、収益チャンスを得ることが出来るわけです。
具体例として、私自身のことを申し上げると、昔、大きく儲けてやろうと、大きくポジションを張った時に限って、逆に上手くいかなかったことが多いと記憶しています。往々にして、そういう場合の自分の相場観はと言うと、「絶対ドルは上がる」とか「絶対ドルは下がる」と言う風な、「絶対〜〜」という相場観を決めつけるかのように持っていたことが多かったようです。
最悪の場合は、今回のポジションが上手く花開いてくれれば、過去何回分の損失を一気に取り戻せるぞと意気込んだことでした。いわゆる「取らぬたぬきの皮算用」式で収益を期待し過ぎてしまう時は、ほとんど悪い結果しか残らなかったことを思い出します。その時の教訓を生かして、相場を行うに当たっては、あまり予測することは良くないのだということを自覚したわけです。そして、マーケットの流れに逆らわず乗ることで、利食いをこなしながら、また、回転を利かしたトレードを行い、まさしく、相場を敵に回さず、相場と友達になる感覚を覚えたわけです。
そして、大事なことは、世の中の大勢の相場観に左右されず、自分なりに根拠ある判断に基づいて相場の方向性を見極めてポジションを造成するようにしたことです。相場が動き出してからも、利食いを小まめに入れつつ、また元のサイズに戻すという回転の効いた売買を繰り返すことで、収益が安定していったわけです。
当初の思惑通りに相場が動けば、人間誰しも、天狗になってしまう傾向があるものですが、そんな時にこそ、慢心せず、謙虚になることが大切です。本来、FXという投資対象は、「売買に回転を利かすこと」が大切です。まさに「買ったり売ったり、売ったり買ったり」が肝要だということです。こんなこと当たり前、分かりきったことと思える方は良いのですが、今一度、この基本原則を再確認して頂くことをお勧めする次第です。
■それでは、以下、具体的なトレード手法について少しご紹介したいと思います。
まずは、こちらのチャートをご覧ください。
http://www.market-homeroom.jp//
添付チャートは、1分足ベースのドル円相場のスパンモデルです。
週末金曜日(3日)夜に発表になった米雇用統計後の前後から、午前1時直前までのドル円相場の動きがよく分かります。午後9時30分に発表になった8月分の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比5万4000人減と、減少幅が市場予想平均である10万5000人を大きく下回ったこと、前月分についても改善方向に修正されたため、米景気先行きに対する過度の悲観論が後退する格好となって、投資家のリスク志向が改善したことで、ドル円相場は一気に上昇しました。加えて、多くのクロス円相場も上昇に転じました。
しかしながら、午後11時に発表になった8月分の米サプライ管理協会(ISM)非製造業景況指数が前月の54.3から51.5に低下したこと(事前の市場予想は53.2)を受けて、今度は、景気回復の遅れが再び意識されたということで、安全資産としての円に見直し買いが入り、ドル円相場やクロス円相場は失速、大幅に反落しました。
上記の解説はどこでも読める内容ということで、全く目新しいものではありませんが、少なくとも、最重要経済指標である米雇用統計後に一気に堅調地合いに変化した相場が、ISM指数を受けてあれほど反応するとは、多くの市場参加者が驚いたはずです。だからこそ、市場の円高圧力なり、円高センチメントの強さがよく分かると解説するのは簡単なことです。しかし、やはり、ここでの重要な課題は、米雇用統計後のマーケットの中でどのようなトレードをしたら収益につながったのかということです。
つまりは、今後の相場動向も見据えて、どのような展開になれば、どのようなアクションを取るべきなのかということを、今回の例をベースに学習するということです。添付チャートである、1分足スパンモデルは、様々な時間軸のスパンモデルの中でも、特に、短時間に大きく動く相場の最も適しているスパンモデルです。
誰でも簡単に判断出来、トレードの指針とすることが出来ます。判断と言っても、何ら難しく考えて判断するわけではなく、ただ見て、知るだけです。チャートをご覧の通り、米雇用発表直後に買いサインが点灯しました。青色矢印のタイミングです。ゾーンを形成している青色ラインと赤色ラインの位置だけで、サポートゾーンになったり、レジスタンスゾーンになったりするわけですが、雇用統計発表直前は、レジスタンスゾーン(赤色ラインが上、青色ラインが下)が出現していました。
そして、発表直後に、2つのラインが一致したわけですが、これは、シグナル転換を示します。尚、この判断は、終値で判断します。つまり、1分足の場合で言うと、1分毎に判断することになります。その後、サポートゾーンが出現し続けるわけですが、ここからのポイントは、青色ラインとローソク足との位置関係です。
ローソク足が青色ライン(サポートゾーン上限ライン)を上回って引けている分には上昇継続、すなわち、ロングポジション継続が推奨されますが、青色ラインを下回って引けた時点で、「ポジション調整」が必要となります。つまり、上昇相場とは、サポートゾーンが出現している局面を示すわけですが、ローソク足がサポートゾーン上限ライン(青色ライン)を下回って引けると、相場の上昇力が減退したことを示すわけです。
と言うわけで、それまで持っていたロングポジションは手仕舞うなり、減らすなり、ポジション調整が必要となるわけです。尚、念のため申し上げておくと、1分足スパンモデルの場合、青色ラインとの位置関係の判断は時に難しいこともあります。つまり、ラインに絡み局面では、あまり明確な判断が出来ないことも多いのが実情です。
この辺りは、相場の全体観をベースに判断するという難しさはある一面、相場が動いている最中に究極の判断を行うに際しては、これほど便利な手法はないと私は思っています。現実問題、私達にとって、経済指標の内容をいちいちチェックしている余裕はありません。そして、やはり、「相場のことは相場に聞くしかない」という信念のもと、チャート最優先でマーケットの流れに乗ることが大事であると私は考えます。
さて、先ほどのチャートに戻ると、ローソク足がサポートゾーン上限ライン(青色ライン)を下回って推移し始めて間もなく、今度は、遅行スパンが陰転しました。この遅行スパンは相場の基調を判断する上で最も重要な基準です。つまりは、ロングからショートポジションへの転換が示唆されたことになります。その後、レジスタンスゾーンの出現に至り、今度は、実勢ローソク足がレジスタンスゾーン下限ライン(青色ライン)に戻りを抑えられながら相場下落していったことが見てとれます。
順調に下落トレンドにあった相場ですが、やがて、今度は、ローソク足終値がレジスタンスゾーン下限ライン(青色ライン)を上回るようになります。そうすると、売り圧力が減退し始め、ショートポジションの手仕舞い、ないしは減らすというポジション調整が必要となります。そして、その後、買いシグナルへの転換(レジスタンスゾーンからサポートゾーンへ転換)とつながっていったわけです。
以上、9月3日午後9時半少し前から午前1時頃までの3時間半程度におけるドル円相場を具体例に、1分足スパンモデルに絞ったトレード方法に関して、簡単に要点だけをご説明致しました。
簡単な解説でしたが、少しでも、皆様のご理解につながれば幸いと思っています。そして、今後のご自身のトレードにて「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」をお役に立てて頂ければこの上ないです。
とにかく、あれこれ「相場材料」「相場変動要因」に関して考え悩んで、手をこまねいているよりも、実際の相場の流れに如何にしてついていくかという方法、つまりは、「トレード技術」を身につければ、相場とは、何ら怖いものではないことを分かって頂けると思っています。
以上です。
■「ツイッタ―」で、毎日、少しずつ、マーケットについてつぶやいています。
アカウント名は murphyFX です。
たまにのぞいて頂くと幸いです。ここぞと言う時につぶやくようにしたいとは思っていますが・・。
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