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マーフィーの日々是好日

短期トレードのコツについて

今回も、本日発行しました無料メルマガから抜粋してレポートします。主にデイトレードなどの短期トレードのコツに焦点を当てて書いております。どうぞ、ご参考にして下さい。


■先週末の外国為替市場は、米労働省が発表した7月の雇用統計にて、非農業部門の就業者数が前月より13万1000人の減少と、事前予想値とより悪化したことや、6月分が下方修正されたことを受けて、ドル売り優勢の展開となりました。

とりわけ、ドル円相場は、リーマンショック後の09年11月に付けた85.09円をブレイク、1995年7月以来の実に15年振りのドル安値85.02円を付けました。ユーロドル、ポンドドルについても、ここ最近の高値を更新し、それぞれ、1.3334、1.5997まで上昇と、ドル全面安の展開となりました。このように、総じて、米ドルを軸とした動きとなったようです。

尚、NY市場終値に掛けては、押し戻される格好となり、ドル円は85.48−53円近辺、ユーロドルは1.3273−78近辺、ポンドドルも1.5940−45近辺となっています。ドル円の85円丁度水準は、一旦はサポートされたことになります。

ところで、ドル円やユーロドルなど、米ドルを軸とした動きが目立ったこと、ユーロ円や豪ドル円などの動きは比較的穏やかったことがうかがえますが、背景として、ここ最近は、米国経済の景気低迷から米金利低下という「ファンダメンタルズ」に市場の関心が移っており、各国通貨の金利と米金利との金利差縮小というテーマが市場の「ファッション」となっていることがうかがえます。

尚、今回の雇用統計を受けて米国の景気減速に対する懸念が再燃しており、今週8月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)にて追加の金融緩和策が検討されるとの観測が取り沙汰されています。そのため、今週のFOMC声明(日本時間11日の早朝に発表)に一段と注目が集まりそうな気配です。


■さて、このような「相場材料分析」は他のレポートに譲ることとして、本メルマガでは、実際のマーケットにおいての、収益につながるトレード方法について触れたいと思います。

まず、この最近、相場変動率が上昇していることは、トレードをされている個人投資家の方であれば誰でも実感されていることかと思います。もちろん、相場変動率が高まっていることは、収益機会の増加と言う意味では大いに喜ばしいことなのですが、相場へのアプローチを間違えると、逆に損失の機会の増大ということになってしまいます。

そもそも、皆様ご自身が経験されている通り、1日の中に相場の上げ下げの波が何度も訪れます。上昇波動、下降波動が交互に生じることで、外国為替相場は1日24時間、延々と続いていくわけです。

具体的に、それぞれの通貨ペアの1日当たりの変動幅を見ると、ドル円相場についてはさほど大きくないものの、ユーロドル、ポンドドルなどのドルストレート相場や、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円などのクロス円相場などについては、100ポイントを優に超えており、150ポイントや200ポイントの変動幅のある日も珍しくはありません。しかも、それぞれの相場波動の向きは一方向とは限らず、上げ下げを繰り返すことも多いです。

この点が大事なポイントであり、トレンドフォロー型のトレードスタイルの場合、しばらくの間、上昇トレンドや下降トレンドが続くトレンド相場であれば、収益チャンスを得ることが比較的容易なのですが、小さな値幅で小動きとなるレンジ相場となると、現実問題、収益チャンスを手にすることは困難となります。

一方、レンジ相場に即した、レンジトレーディングのスタイルをとる場合、相場が比較的狭いレンジで推移している間は、小さいながらも収益チャンスを手にすることは可能です。すなわち、トレンドのある相場、トレンドのない相場(レンジ相場)の区別、判断を的確にこなすことが出来る「トレード技術」を持っているかどうかが、成功トレードが出来る確率に大きな影響を与えることになります。

レンジトレーディングについては、今回のメルマガではあまり触れませんが、相場がレンジ相場であることを判断するテクニック、すなわち、「トレード技術」をマスターしないと、エントリーするのは危険となります。つまり、レンジをブレイクした判断を的確に行って、いち早くロスカットを行わない限り、評価損を抱えたポジションを引っ張ることになりかねないからです。尚、このレンジブレイクのタイミングの判断は、トレンド発生の判断とも関連しており、以下でご説明するトレンド発生の判断方法を理解、マスターすることで、マーケットの流れに乗ったトレードが出来るようになります。

今回は、トレンドフォロー型のトレードスタイルに即しての、有効的、且つ実践的なトレード方法についてご説明したいと思います。


■まずは、トレンドの発生を判断するテクニック、すなわち「トレード技術」を身につけることが出来れば、このトレンドフォロー型のトレードスタイルの方が、収益力が高まると考えます。

「相場は仕掛けと利食いが一番大事であります。」(一目均衡表、第1巻、P137)と、一目山人翁も書いておられます。私はセミナー等でいつも強調して申し上げていることは、トレンドのある相場、トレンドのない相場をどのようにして見分けるかという点です。

そして、どの場面でトレンド発生と判断して、ポジションを造成するか、そして、その後、相場が推移していき、どの場面でポジション調整をするかが重要なテーマとなります。尚、このポジション調整には、利食いや損切りを含みます。これは、「トレード技術」に属するテーマですが、先ほども触れた通り、トレンドフォロー型のトレードスタイルの方が、収益力があると分かるものの、このトレンドの発生タイミングを如何に迅速、的確に把握するかが成功トレードの為の決め手となります。尚、トレンド発生のタイミングを把握するには、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を駆使します。


■さて、今回は、とりわけ、日中のマーケットの動きに乗る為の、有効なトレード方法について言及したいと思います。それは、「1分足スパンモデル」や「5分足スパンモデル」の活用です。

日中のトレードとは、つまり、デイトレードのことを指すわけですが、デイトレードには、これら1分足や5分足のスパンモデルがとりわけ有効です。ここで大事なことは、これら短期のスパンモデルで売買の判断を行うにしても、相場の全体観を常に頭に入れてトレードすることが望ましいということです。

そして、この相場の全体観を把握する上でとりわけ有効なチャートは、「60分足スーパーボリンジャー」であり、「60分足スパンモデル」です。ただ、「60分足スパンモデル」は、時間軸は60分足ではありますが、日中だけでなく、宵越しや数日に及ぶ相場トレンドを追う上でより有効であることから、「60分足スーパーボリンジャー」を判断基準の主軸にすることをお勧めします。

「60分足スーパーボリンジャー」は、見た目は、普通の「ボリンジャーバンド」ですが、遅行スパンが加わっていることで、「ボリンジャーバンド」を遙かに凌ぐ力を発揮してくれます。すなわち、遅行スパンは、相場の基調を教えてくれるものであり、買い優勢か売り優勢かの判断基準を瞬時にして与えてくれます。

スパンモデル、スーパーボリンジャー共に遅行スパンを備えていますので、相場の基調トレンド判断を下すには、欠かせない指標である点、覚えておいて下さい。そして、何と言っても、遅行スパンの最大の効用は、トレンド転換のタイミングを確認出来ることです。遅行スパンの転換と呼んでいるものに、陽転、陰転があります。

陽転は、遅行スパンが実態ローソク足(遅行スパンと同一時間に位置するローソク足のこと)を下から上に抜き去る時に発生し、陰転は、遅行スパンが実態ローソク足(遅行スパンと同一時間に位置するローソク足のこと)を上から下に抜き去る時に発生します。尚、この判断は、終値ベースで行いますので、60分足スーパーボリンジャーであれば、60分足の終値が確定した段階で、転換したかどうかをチェックします。

この遅行スパンが陽転している局面では、買い優勢ですからロングポジションを、陰転している局面では、売り優勢ですからショートポジションを軸にポジション操作を行っていけば相場の流れに逆らうことなくトレード出来るわけです。

とりわけ、FXを始めて間もない初心者の方にとって、この遅行スパンを知り、トレードに生かすことで、相場の基調の流れに乗ることが出来ることで、評価損を抱えたポジションを引っ張るリスクが大きく減少することと思います。私の「スパンモデル」なり、「スーパーボリンジャー」では、遅行スパンの色を最も目立つ色である紫色にして、極力目立つように工夫してあります。

チャートを見れば、まずは、この遅行スパンをチェックする習慣をつけておけば、相場が買い優勢なのか、売り優勢なのかを瞬時に知ることが出来、相場のメイントレンドを外すことを極力避けることが出来るというわけです。

いずれにせよ、スーパーボリンジャーを用いて、現在の相場のトレンドを判断する上でチェックすべきポイントは、(1)実勢ローソク足とセンターラインや各シグマラインとの位置関係、(2)バンド幅の収束、拡大具合、(3)遅行スパンの位置等です。詳しい解説は、Eブックをご参考にされて下さい。尚、1日1回、ブログにて、主に、60分足ベースのスパンモデルやスーパーボリンジャーの解説を行っておりますので、同様に、ご参考にされて下さい。


■ところで、1分スパンモデルの利用法ですが、簡単にご説明すると、サポートゾーン(青色ゾーン)が出現すると買い優勢、レジスタンスゾーン(赤色ゾーン)が出現すると売り優勢ということを教えてくれます。

そして、大事なポイントは、サポートゾーンの上限ライン、レジスタンスラインの下限ラインを注視しておくことです。このラインは、別名「青色ライン」と呼びますが(ゾーンは青色ラインと赤色ラインに挟まれて現れます)、青色ラインと比して、実勢レベルがどの位置にあるかによって、相場の勢いを知ることが出来るわけです。

具体的に言うと、買い優勢の局面では、サポートゾーン(青色ゾーン)が出現するわけですが、実勢レベル終値がサポートゾーンの上限ラインを上回って推移している限り、相場が巡航速度の上昇トレンドに入っていると判断出来ます。同様に、売り優勢の局面では、レジスタンスゾーン(赤色ゾーン)が出現するわけですが、実勢レベル終値がレジスタンスゾーンの下限ラインを下回って推移している限り、相場が巡航速度の下降トレンドに入っていると判断出来ます。

実際のトレードでは、巡航速度の上昇トレンドであればロングポジションを、巡航速度の下降トレンドであればショートポジションを造成することが推奨されるわけです。

一方で、実勢レベル終値がサポートゾーン上限ラインを下回って推移してくると、相場の上昇力が減退していることを示し、実勢レベル終値がレジスタンスゾーン下限ラインを上回って推移してくると、相場の下落力が減退していることを示すということです。

このような局面では、巡航速度のトレンド局面で造成していたポジションを調整する必要があります。ポジション調整は、利食い、損切りを行うことで、ポジションサイズを増減させることを意味します。

大事なことは、巡航速度の上昇相場なり、下降相場と言うのは、収益に結びつける上で理想的な相場展開であり、このような局面を見つけて、流れに乗ることです。実際のマーケットでは、重要経済指標や重要イベントなどの要因から相場が大きく動く場合、この1分足スパンモデルの効力がよく分かります。

すなわち、巡航速度の上昇トレンドであれば、実勢レベル終値がサポートゾーン上限を下回ることはほとんどなく推移していきます。また、巡航速度の下降トレンドであれば、実勢レベル終値がレジスタンスゾーン下限を上回ることはほとんどなく推移していきます。巡航速度のトレンドに乗った相場など、トレンド性が強い局面での動きというのは、このように共通の動きをするものです。

一方、トレンド性が弱まってくると、上記で言う「青色ライン」を割り込んできますので、その時点で、相場の勢いをチェックすることで、ポジション操作の参考にすることが出来るようになります。

普段、私は、1分足スパンモデルにおいては、実勢レベルとこの青色ラインとの関係は、それほど気にせず、サポートゾーン、もしくはレジスタンスゾーンの出現によって、相場のトレンド性を確認することをお勧めしています。とりわけ、重要経済指標の発表や重要イベントの発生直後など、相場が大きく変動する時は、この1分足スパンモデルが有効にワークするケースが多いです。

もっとも、普段の相場において、いつどの時点で相場が大きく変動していくか、事前に予測することは困難です。従って、常に、相場の変動についていく上で、1分足スパンモデルを活用するには、実勢レベルと1分足スパンモデルの青色ラインとの位置関係をチェックすることで相場の勢いを確認出来、結果として、トレンド性の高い相場の流れについていくことが出来るわけです。尚、上記でも触れた通り、遅行スパンを併せて相場のトレンド性を判断、確認する習慣を付けることが大事です。

つまり、遅行スパンが陽転している時に、実勢レベル終値が青色ラインを上回って推移、もしくは、遅行スパンが陰転している時に、実勢レベル終値が青色ラインを下回って推移している局面では、それぞれ、上昇トレンド、下降トレンドが鮮明になっていると判断出来ます。

以上です。


■「ツイッタ―」で、毎日、少しずつ、マーケットについてつぶやいています。

アカウント名は murphyFX です。

たまにのぞいて頂くと幸いです。ここぞと言う時につぶやくようにしたいとは思っていますが・・。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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