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マーフィーの日々是好日

今週のメルマガより抜粋

以下は、本日発行しました、「無料メルマガ」からの抜粋です。参考にして頂ければ幸いです。


■あるFX会社の顧客サービス担当者から聞いた話ですが、最近では、FX会社に口座を持ってはいるけれども、取引を控えておられる個人投資家もかなりの数に上っているそうです。

比較的簡単に取引が出来、うまくいけば短期間にかなりの収益を上げることが出来ると見込んで始めたものの、結果が芳しくなく、損失を恐れるあまり、トレードするのが億劫になってしまっている投資家も多いようです。大切な自己資金ですから、減らしたくないのは当然のことであり、お金儲けをして、少しでも元手を増やしたいと願うのも自然な考え方でしょう。

取引勧誘に関して、最近は、金融庁などが厳しく取り締まっていますので、あくまで個人投資家自身の判断で取引を行うことになるわけですが、実際のところ、安易にポジションを持っては悩み苦しんでおられる方が多いのが現実です。

資金を実際につぎ込む実際のトレードを行う前に、デモトレードなどで、練習することが大切であるにもかかわらず、我慢しきれずにいきなり実践トレードを行って痛手を被ってしまった投資家もいらっしゃれば、当初しばらくは上手くトレード出来ていたにもかかわらず、突然、大きなロスを出して自信喪失されてしまった投資家もいらっしゃると思います。

いずれにしても、FXは簡単な投資対象であるとの当初の思惑とは異なってしまい、FXに対して恐怖感を抱くようになってしまった個人投資家が予想以上に多いように思われます。


■そこで、1つ、私の考えをお伝えしたいと思います。

それは、FXとは、「相場観」で勝てるほど甘いものではないということです。「相場観」とは、世の中で話題となっている材料から判断したり、自分の持つ感覚的な読みに頼ったりして、相場が上がるか下がるかを推し量ることから生まれてくる考え方やアイデアのことです。

新聞、雑誌、テレビ、ラジオはもちろんですが、インターネット等々、ネット経由の情報メディアは益々充実しており、誰もが、いとも簡単に「相場観」を持てる時代です。それこそ、今は、小学生でも、相場が上がるか下がるか予想したりすることが出来る世の中です。

これらの不特定多数の個人投資家が有している「相場観」は、言い換えると、一般大衆のコンセンサスであり、いわば大衆心理というものです。大衆心理は相場の世界においては、ほとんどの場合「逆指標」となります。ここで言う「逆指標」とは、買えば下がる、売れば上がるという意味合いのものです。

自分では、それなりの情報ソースから得た、価値のある情報であると思いたいのは「やまやま」ですが、残念ながら、瞬時に情報がやり取りされるこの相場の世界にあっては、ほとんどの情報が「陳腐化」しています。

極論を許してもらえるならば、自分の耳や目に入ってくる情報というものは、すでに相場価格に織り込まれてしまっているということです。「織り込まれている」と言うのは、相場価格はその情報が既に反映されたものであり、その情報を基に新たにポジションを持つのは既に「時遅し」となっているということです。まさに「生き馬の目を抜く」のような状況がFXの世界なのです。

誤解を生まない為に申し上げておきたいことは、このような状況は決して個人投資家がFXの世界に参入してきてから発生したわけではないということです。つまり、はるか以前より存在しているわけです。

すなわち、私が初めて外国為替相場の世界に入った1984年当時の状況も、基本的には、似たようなものだったということです。当時は、当局から認可された銀行や一部の証券会社だけが外国為替市場に参入出来るという、限られた世界でした。情報ソースとしては、ロイター、テレレート、ナイトリッダーなどと呼ばれる幾つもの情報発信会社がしのぎを削っていました。

私は、外国為替トレーダーとしてのキャリアを邦銀ニューヨーク支店にて開始したのですが、やはり、市場が一番の関心事としていたのは、重要経済指標でした。

1984年から1985年にかけては、とりわけ米国のマネーサプライに市場の関心が集中していました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が行う、毎日の金融政策(連邦公開市場操作)も関心の的でした。

その後、1985年に歴史的にも有名なプラザ合意がなされて、外国為替市場の関心事が貿易不均衡に移っていった時期、そして、米国の双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)、GDPなどの景気指標、さらには、米国雇用統計と言う風に、時に応じて、まるで「ファッション」のように、市場が注目する「相場要因」がころころと変遷していったわけです。


■そんな中で、私自身が経験したことは、経済指標を追いかけるのは良いけれども、市場が反応するのは、事前予想と大きく異なっている場合であること、さらには、事前予想と異なっている場合でも、その時点での相場の地合いやトレンドに、市場は大いに影響を受けるということです。

言い換えると、経済指標の発表結果が事前予想と大いに異なっている場合に、市場が反応しやすいのは今も変わらない「普遍的」な現象なのですが、たとえ、事前予想と異なっている場合でも、その時々の相場のトレンドによって経済指標への市場の反応が大いに影響を受けると言うことです。

ここでの大事なポイントは、相場の地合い、トレンドがどのようなものかによって、その時々の経済指標への反応度合が変化するということです。

具体的に言うと、上昇相場、買い優勢の地合いにある時は、買い材料に反応しやすいということ、売り材料には反応しにくいということです。一方、下落相場、売り優勢の地合いにある時は、売り材料に反応しやすいということ、買い材料には反応しにくいということです。

このような相場の動き、反応は、しばらく経験すれば自ら分かるものですが、最初の頃は、何が何だか分かりませんでした。つまり、強い経済指標が発表になっても、その方向に相場が動かないことを何度も経験したのです。事前予想比で考えると頭でも分かっていても、慣れるには時間を要したのを覚えています。

ましてや、事前予想比で強い数値が発表になっても、相場がそちらの方向に反応しないケースを何度も目の当たりにした時、経済指標のことを幾ら研究しても相場では勝てないと、思いっきり痛感したものです。

とどのつまりは、相場のそのものが、その時点で上昇基調、買い優勢なのか、それとも下落基調、売り優勢なのかを「事前に」知っておくことがどれほど大切かということを理解したわけです。

さらに相場を追及していくと、現在のトレンド把握だけでも不十分であり、相場の変化時間帯がいつであるかを、出来れば事前に、出来なくても事後に知ることがどれだけ大切かを実感するに至りました。これが、後の「アクティベート時間分析」につながりました。

ここで要約すると、相場が現在、上昇基調(買い優勢)なのか、下落基調(売り優勢)なのかを把握した上で、さらに、変化時間帯(相場が変化しそうな時間帯)をどこまで分析出来るかが、相場の世界で生き残る最大の「手段」であると理解出来たということです。


■繰り返しになりますが、重要なポイントは、ある相場変動要因が生じる場合、その要因が、その時点で市場が織り込んでいるレベルが低ければ低いほど、相場への影響度は高いということです。

さらに加えて、その織り込み度合いが高い場合でも、その時点での相場の地合い、もしくはトレンドが、より重要であると言う点です。

具体例で説明致しましょう。

米国雇用統計が発表予定となっており、事前予想として、非農業部門就業者数が仮に5万人のプラスの時、発表結果がプラス10万人であれば、通常、予想外に強い数値と見なされます。

それでは、果たして相場はどのように反応するのでしょうか?ドル円相場を例にとって見てみましょう。

上記の米国雇用統計が発表になった時点で、ドル高円安に向かうのかどうかとなると、恐らくは、少なくとも一旦はドルが買われる確率が高いです。しかしながら、その時点での相場トレンドがドル安円高の場合、ドルが買われたところは、絶好のドル売りのタイミングとされ、僅かにドル高に振れたところから、急激にドル安に推移する可能性が高まります。

以下のユーロドルのケースについてはどうでしょうか?

それは、先ほどと同じ米国雇用統計が発表になった場合、ユーロドル相場に関しては、ユーロ高となるのか、それともユーロ安となるのかと言う点です。米国の経済指標が強いからと言って、果たして、ドルが買われてユーロが売られるのかどうかと言う点です。

最近の相場では、米国経済指標が強い数値であれば、ユーロが買われるケースが大半です。強い経済指標は景気にプラスであり、その結果、市場のリスク許容度が増すという見方から、ユーロが買われやすくなっています。そして、ユーロ円については、強い経済指標が発表になると、ユーロ高円安になる傾向があります。

もっとも、これは、昨今の「ファッション」とも言えるものであり、市場のコンセンサスが強い米国経済指標イコール、ユーロ高、ドル安、円安と言う構図にもっていっているだけだということです。

つまり、市場の中での「ファッション」が変化すれば、強い米経済指標がドル高、ユーロ安、円安の動きにつながる可能性も十分にあるということです。ただ、現実の相場の動きは上記のように単純ではないというところが相場の難しいところです。ドル、ユーロ、円の動きが複雑に絡みあって、どのような動きをするかどうかは、まさに、その時の相場のトレンド、そして地合い次第であると言うことです。

経済指標発表時の相場のトレンドや地合いと言っても、それほど明瞭でないケースもあります。早い話が、トレンドレス、保ち合い相場、レンジ相場の場合も当然あり得るわけです。そうなると、当然のことながら、上記で見たような推移を辿るとは限りません。

いずれにしても、大事なことは、その時の相場がトレンド、トレンドレス、さらには、どのような地合い、展開となっているのか、指標発表を迎えた時点での価格水準の位置、さらには、時間分析からの日柄はどうなっているかなどのチェックをすることです。


■上記で言う、チェックする方法は、いつも私が「トレード技術」と呼んでいるものです。すなわち、「トレード技術」は、相場の分析を行った上で、どこで買うべきか、どこで売るべきかの判断を行うスキルのことです。

この「トレード技術」と言うスキルがなければ、ただ、相場の波に翻弄され続けるだけです。いかなる経済指標が発表になるにしても、その結果は、事前には、誰にも分からないものですが、その時点での相場の動きについては、事前にチェックすることは可能です。

従って、指標発表後に、相場がどの水準に達すればどうなる可能性が高いということを客観的に判断するスキルが身に付いていれば、相場変動リスクについて、必要以上に恐れることはなくなります。

繰り返しになりますが、価格がいつの時点でどの水準に位置していれば、その後の相場がどう推移していく可能性が高まると言う判断を客観的に行うスキルこそ、正しい「トレード技術」です。この「トレード技術」さえあれば、世の中に氾濫している情報を聞いても翻弄される心配はあまりないでしょう。

何と言っても、自分なりに判断する根拠をもっているからです。この根拠ある判断基準こそが、「トレードルール」というものです。様々な状況に応じて判断出来る、「トレードルール」をどれだけ持っているかで、ストレス度合いがぐっと変わってきます。

人間の3大煩悩である「欲望」、「怒り」、「迷い」に惑わされて、荒れ狂う相場の中で、自分を見失ってしまうことなく、自分を律する為にも、「トレードルール」は必要不可欠です。一見、ありきたりのようなことを書いているかもしれませんが、このことを、皆様が心の底から理解し、確信し、信じ切ることが出来るかどうかが、トレードで成功出来るかどうかの試金石です。

成功する為には、当り前のことを実際に行動に移せるかどうかに掛っています。皆さまが、上記のことを再確認された上で、「トレードルール」をマスターされ、そして、ご自分のトレードスタイルを確立されることをお勧めします。

すでにFX会社に口座もあるし、証拠金残高もあるけれども、今はトレードの自信がないという方こそ、上記のことを、しっかりとご理解して頂ければ幸いです。


以上です。


■「ツイッタ―」で、毎日、少しずつ、マーケットについてつぶやいています。

アカウント名は murphyFX です。

たまにのぞいて頂くと幸いです。ここぞと言う時につぶやくようにしたいとは思っていますが・・。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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