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マーフィーの日々是好日

時間の感覚は人それぞれ?!

「時間感覚」には、個人差がかなり大きいようです。どういう意味かと言うと、例えば、ひと口に「短期」と言っても、数時間程度の場合を指すケース、1日程度の場合を指すケース、数日程度の場合を指すケース、数週間でも「短期」と理解しているケースなど、まさに千差万別です。

そう言えば、ディーラー仲間で相場情報交換をする時に、交わす会話の1つに、「ドル、どう思う?」「ユーロ、どう?」というのがあります。いつも話している仲だと、相手がどの程度の期間の相場展開のことを聞いているのか雰囲気で察しがつくのですが、普段あまり知らない人に質問されるとどうしても戸惑います。

昔、私が欧州系外資銀行に勤務していた時、上司(オランダ人)から「ドル、どう思う?」と聞かれた時、私は、「今夜のこと、それとも、明日以降も含めてのこと?それとも、もっと長い期間のこと?」と聞き返したのを覚えています。

恐らく、相手(上司)はあまり考えずに自分の頭に浮かんだイメージで質問してきたのでしょう。数日程度のことを聞いていたのかもしれませんし、数週間のことを聞いていたのかもしれません。

しかし、質問をされた私としては、その日のことか、数日のことか、数週間のこと、数か月のことか聞き返さないと答えようがないのです。

現在、私は有料の個人向けコーチング掲示板を主宰していますが、その中でも、数多くの会員さんから、毎日、様々な質問を受けます。お陰さまで、私のところでは、会員さんは皆さんある程度相場のことをお分かりである為、曖昧な質問はほとんどなく助かっています。

それでも、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードに関して、会員さんは、ご自身のトレードスタイルやトレード環境(トレード時間、資金量、リスク許容度等々)に依って様々なご質問をされていらっしゃいます。

ご自身は自分のことですから、要点だけをかいつまんで質問されてくるわけですが、私は、出来るだけ、ご質問された方に相応しい回答をするように、それぞれの質問内容から、その質問者の意図を出来るだけ正確に汲むように努力しています。そして、とにかく、互いの間に誤解が生じないように、極力、具体的に回答するようにしています。

このように、相場というのは、どの時間軸を中心に据えるかによって、がらりと相場の判断が変化してきます。週足ベースで上昇相場でも、日足では下落、調整局面にあることもあります。また、日足ベースで下落相場にあっても、60分足では、上昇、調整局面であることもあります。さらに、60分足で上昇相場であっても、5分足では、下落局面にあることもあります。

ましてや、1分足の世界では、上下の動きが目まぐるしく変化します。ただ、大相場においては、1分足スパンモデルの世界では、数時間、トレンドが継続することもあり、デイトレードをやっている分には、充分に「美味しい」局面が訪れます。これほど、資金効率の良いチャンスはないわけです。

要するに、自分がどの時間軸でトレードするかによって、見るべきチャートは異なってきます。また、自分のスタイル、例えば、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレード、に従って、当然のことながらベースとすべきチャートの時間軸も変化させるべきです。

いずれにせよ、個人によって、「時間感覚」なるものは違って当然であり、短期、中期、長期と言う言葉だけでは、説明が不十分であるということを前提としてわきまえておく必要があるということです。さもないと、的を得ない理解となり、失敗トレードにつながってしまうリスクがあるからです。

と言うわけで、自分のスタイル、自分の置かれたトレード環境(トレード時間、資金量、リスク許容度、利益目標額等々)を勘案して、自分はいったいどの時間軸で「勝負」、「トレード」するのかを事前に決めることが大事だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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