心理学によれば、人間の行動の少なくとも90パーセントは習慣によるものだそうです。

私達の考え方や行動パターンというのは、過去の習慣的な考え方や行動パターンの影響を大いに受けており、ちょうどレコードの溝のように形成されているようです。そして、毎日、同じ考え方や行動を繰り返していると、それがますます膠着化し、そこから抜け出ることが出来なくなっていくと考えられます。

ところで、このように長年凝り固まった思考パターン、行動パターンを変えることが出来ないかというと、そうではありません。実は、私達の脳はかなり柔軟なものであることは、著名な脳科学者の茂木健一郎氏も仰っています。

茂木氏は「人は変わることが出来る」と強調されています。「脳は既にある感情や記憶の中心となる回路を作り変え、身体全体にダイナミックな変化が起こる」とも主張されています。

「どうせ、自分は〜〜」と思うことは、良くなさそうです。ある信念、考えをもって自分を律していくと、自分がありたい姿に変わっていけるわけです。

さて、上記のことをトレードに当てはめてみましょう。悪いトレード習慣も、長年積み重なると、そう簡単には修正がきかなくなると思いがちです。しかし、先ほどの話からすると、これも、私達の考え方、行動一つで、どうにでも変えられそうです。

となると、大切なことは、自分が本当に変えたいかと心の底から望むかどうかだと、私は思います。心の奥底で、自分は変わる必要はないと思っているうちは、何をやっても変わることは出来ないでしょう。トレードでも同じであるということですね。

トレードは結果がはっきりと生じるだけに、自分が変わりさえすれば、如実にその効果は目に見えてきます。そして、一旦、自分が変わることを決意し、動き始めたら、今度は加速度的に、自分が望む方向に進むことが出来そうです。

トレードで成功する為の方法、手段をわきまえて、行動を起こすことが出来れば、他の何事でも同様に自分の目標に向えると思います。先ほどの茂木健一郎氏の訳による「脳にいいことだけをやりなさい」（マーシー・シャイモフ著）の中には、隅から隅まで示唆に富むことが書かれていますので、どうぞご参考にされて下さい。


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