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マーフィーの日々是好日

トレードは心理戦でもあることの意味

「心配のない状態」という心の状態こそが、トレードを行い続けていく中で、とても大切な要素です。もっとも、「心配のない状態」というのは現実的ではないので、「あまり心配がない状態」と表現するのが無難かもしれません。そして、自分の方法を信ずることが出来ること、信念のようなものが心の底にあるかどうかが、成功トレードの確率を高める上で、重要です。

さもないと、いつも、自分のポジションはロスカットに掛かるのではないかと不安状態を感じ続けることになります。思うに、ロスカットするかもしれないという恐怖感こそが、結果的に、トレードが上手く出来ない根本的な原因となっていると言っても過言ではありません。

皮肉と言うべきか、「損失」を回避しようとすればするほど、逆の結果を招いてしまっているとも言えましょう。つまり、自分に、しかるべき「トレード技術」があって、それを信じることが出来る「信念」があり、その「トレード技術」通りに自分がトレードを行っているかどうかを客観的に判断する力がありさえすれば、結果は勝手についてくるということです。

その意味では、やはり、心の管理(コントロール)は大事です。自分を第三者的に見つめる勇気、そして、自信があるかどうか、トレードでは大きな要素となります。逆に、この心の管理(コントロール)の出来ない方は、幾ら素晴らしいトレード技術」を知って学んだところで、それを使いこなすことは出来ないことになるわけです。

繰り返しになりますが、損失を恐れるあまり、むしろ逆に、結果的として損失を招くリスクを高めているのだという認識は重要です。極端なことを申し上げると、損しても良いのだと言うくらいの心の状態になれば、好結果をもたらすわけです。

「こんな高いところを買えばやられる」、「こんな安いところを売れば損する」、と言う風な発想、考え方で相場に臨んでいるからこそ、上手くいかないわけです。そこには、損失を恐れすぎている自分が存在しているということです。損失を恐れ過ぎているからこそ、全てのトレードが後手に回ってしまうのです。本当に皮肉だと言えます。

考えてみると、相場の動きは人間の心理を反映したものと言えましょう。突発的に上昇したかと思えば、ずるずると下げ始める。突然、急落したと思えば、その後、反転し始めると押し目もなく上昇していくような相場は頻繁に起こります。よく、押しのない相場は上昇する、戻りのない相場は急落すると言います。これらの動きは、全て、人間の精神状態を反映したものと言えるわけです。まさに、ポジションに捕まっている時の投資家の心理状態が手に取るようです。

相場の動きに対する、トレーダーの行動の根本原因は、まさに、そのトレーダーの心の中にあると言えましょう。その意味で、目の前の相場を見るだけでなく、自分の心の状態も見ることが出来れば、トレードに劇的な変化が生じるかもしれません。

従って、自分が、自分の構築したトレードルールに忠実に従ってトレードしているかどうかを客観的に見つめることが出来る人間は強いということになります。トレードは心理戦であると言われる所以でもあるわけです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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