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マーフィーの日々是好日

「FXに一攫千金はない」

一般論として、FXや株式投資にて、一攫千金を夢見る人は後を絶たないようです。確かに、一般世間では、簡単に儲かるかのごとく宣伝している雑誌等も多いこと、各FX会社の広告も影響して、新規参入されてくる個人投資家も多いと聞きます。しかしながら、決して脅すつもりはないのですが、しっかりとした「トレード技術」なく、安易にトレードし始めると、せっかくのトラの子の自己資金をマーケットに献上することになりかねません。

実際のところ、FXなり、株式相場をよく知っている人ほど、甘い幻想を持たず、慎重なスタンスでマーケットに入っているようです。一方で、FXや株式のことをあまり知らない人ほど、過大な期待を抱き、一攫千金を夢見て、安易にマーケットに入っていくようです。FXさえ始めれば、短期間のうちに資産が何倍にも膨れ上がり、お金持ちになれると思い込んでいる人達が意外と多いのには驚かされます。実際に大きく収益を上げることが出来る人は一握りの人だけだと申し上げると、どこからか非難されそうですが、事実はそうなのだという点を認めることからスタートした方が良いです。

実際問題、多くの個人投資家が、マーケットに幻滅して、退却されていくようですが、これは、実に悲しいことです。たまたま、最初のアプローチを間違えるだけ、もしくは、初歩の段階で間違った理解をしただけで、FXなり、株式投資にネガティブな印象を持ったまま去っていかれることは実に残念なことです。いつも思うことですが、投資に向いている人がいる、投資に向いていない人がいるという議論はあまり意味がありません。より正しくは、正しい投資方法を学んだか、そうでないかということです。

正しい投資方法を学んで、正しい「トレード技術」を身につければ、ほとんど誰でも、意欲さえあれば、そして、努力さえすれば、生涯収益(キャリアプロフィット)を増大させることが出来ます。

さて、ここで大事なことは、「一攫千金を目指さないこと」です。よく、FXをやる以上は、2割や3割儲けても仕方ない、1年で2倍、3倍にしないと意味がない、などと言う人がいます。中には怪しい触れ込みで「何日間で何百万円の収益」「何か月で何千万円の収益」と言った風な誇大広告を堂々としている輩もいるぐらいです。

しかしながら、このような安直な儲け話や、投資そのものに対する安易な考え方、スタンスはとても危険だと思います。正しいトレード技術を学べば、「結果として」1年で2倍や3倍になることはあり得ますが、初めから、安易にそのような高収益を目指してトレードを始めると、ろくなことはありません。

どういうことかと言うと、2倍、3倍を目論んでトレードを始めると、目一杯利食いをしようとの欲が膨らんで、利食いを遅らせてしまうケースが出てきます。もちろん、この利食いを伸ばすこと自体は、決して悪いことではなく、むしろ理想的なことです。ただし、条件として、正しいトレード技術に裏打ちされている場合に限るわけです。

つまり、ここで問題なのは、ただただ、大きく利食いたいばかりにポジションを大きくし過ぎたり、損失確定を嫌って、ポジションを引っ張ったりしていると、相場が自分の思惑と逆に動き出した時に、ポジションを調整し辛くなるということです。この「ポジション調整」とは、相場で生き残るために実に大事な行為なのです。

FXというのは、1日24時間動いているわけであり、1日に何度も上がったり下がったりします。この1日の中の波動を丁寧に捉えて乗っていくことが出来れば、収益チャンスは無限大に拡大していきます。もちろん、当たり前のことですが、ただ、闇雲にトレードの回数を増やすことが良いわけではないです。繰り返しになりますが、正しい「トレード技術」をベースとした、機動的な売買を繰り返すことで、収益チャンスを得ることが出来るわけです。

具体例として、私自身のことを申し上げると、昔、大きく儲けてやろうと、大きくポジションを張った時に限って、逆に上手くいかなかったことが多いと記憶しています。往々にして、そういう場合の自分の相場観はと言うと、「絶対ドルは上がる」とか「絶対ドルは下がる」と言う風な、「絶対〜〜」という相場観を決めつけるかのように持っていたことが多かったようです。

最悪の場合は、今回のポジションが上手く花開いてくれれば、過去何回分の損失を一気に取り戻せるぞと意気込んだことでした。いわゆる「取らぬたぬきの皮算用」式で収益を期待し過ぎてしまう時は、ほとんど悪い結果しか残らなかったことを思い出します。その時の教訓を生かして、相場を行うに当たっては、あまり予測することは良くないのだということを自覚したわけです。そして、マーケットの流れに逆らわず乗ることで、利食いをこなしながら、また、回転を利かしたトレードを行い、まさしく、相場を敵に回さず、相場と友達になる感覚を覚えたわけです。

そして、大事なことは、世の中の大勢の相場観に左右されず、自分なりに根拠ある判断に基づいて相場の方向性を見極めてポジションを造成するようにしたことです。相場が動き出してからも、利食いを小まめに入れつつ、また元のサイズに戻すという回転の効いた売買を繰り返すことで、収益が安定していったわけです。

当初の思惑通りに相場が動けば、人間誰しも、天狗になってしまう傾向があるものですが、そんな時にこそ、慢心せず、謙虚になることが大切です。本来、FXという投資対象は、「売買に回転を利かすこと」が大切です。まさに「買ったり売ったり、売ったり買ったり」が肝要だということです。こんなこと当たり前、分かりきったことと思える方は良いのですが、今一度、この基本原則を再確認して頂くことをお勧めする次第です。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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