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マーフィーの日々是好日

「信じること」の大切さについて

皆様はご自分の力、能力を心の底から信じていますか?

自分は何でもこなせる、やり遂げることが出来ると思っている人がいれば、相当な自惚れか、楽天家なのかもしれません。ひょっとしたら、生まれながらにして、大きな事を成し遂げる人かもしれません。

現実問題、人間誰しもそうですが、そう簡単に自分のことを信じることは出来ません。もちろん、誰しも自分自身にプライドがあるはずですし、絶対に譲れない面があると思います。しかしながら、自分の能力をとことんまで信じている人は、そう多くはないと思います。

ここで、私自身のエピソードを少しお話したいと思います。

私は、マーケットの世界に1984年8月に入りました。実際にポジションを持ってトレードを始めたのは、翌年1985年の4月からでした。邦銀ニューヨーク支店にて、ドルマルクディーラーとして相場の世界でデビューしたのです。

マルクは現在ユーロに取って代られていますので、ユーロドルのトレードであったわけです。当然の結果ですが、マーケットの洗礼を思いっきり受けました。何故、自分をこの恐ろしいマーケット部門に配属したのだろうと、人事を恨みました。

しかし、世界経済、金融のど真ん中に位置する外国為替市場にて、外国為替のトレードを出来る喜びも同時に感じました。そして、自分次第で結果を残せ、また、個人単位で評価してくれるという体質、カルチャーがとっても気に入りました。

ともすれば、大きな組織の中で埋もれてしまうかもしれないサラリーマンの一人であった自分が、自分を主張出来る数少ない仕事であると思ったのです。そこで体験したのは、一種の「天職」めいた感触でした。

シンクロニシティが重なって、たまたまディーリング部門に配属されたわけですが、そこで、一種の「ひらめき」を感じ取ったのです。「気づき」と言い換えても良いかもしれません。自分はこの世界でやっていきたいという、ぼんやりした願望を心底に強く持ったのです。

しかしながら、現実の目の前の相場、マーケットはあまりにも冷酷でした(私にはそう感じました)。いったいこんな世界で自分が生き残れるのかという不安、心配ばかりの毎日を送っていました。2か月連続でマイナスという収益結果を出しましたので、ボスである上司は、私の配置換えを考えていたはずです。

しかし私は、何とかしようともがいた結果、これに頼ろうと思ったのは「チャート」でした。ポイントアンドフィギャーという、○と×の印をつける単純なチャートでした。先輩に聞いたところ、たまたま教えてくれたものでしたが、私はそれしか知らないことや、自分に残された時間は少なかったので、ただ信じて頼る以外になかったのです。

自分なりにチャートの作成方法を調べ、さっそく方眼紙に書き始めました。どこで買い、どこで売るかというポイントをこのチャートだけで判断したのです。竹やりにも劣る、しかし、自分にとっては唯一信じることの出来る手段でした。

それでも、何と、私はこのチャートのお陰で次第に収益を残せるトレードを出来るようになったのです。正直、その当時のことを思い出してみて、ただ、チャートが示すシグナルを信じるだけでした。そこには余計な疑いの余地はなく、世の中のポジション云々、経済指標云々等の「材料」「要因」が入り込むことはありませんでした。ただ、ただ、チャートを信じて邁進していったのです。

そして、3か月目が終わろうとする月末に、何と、ほんの僅かながらもプラスにすることが出来たのです。月間約1000万円の損失限度額を2か月連続でほぼ使い切った上に、3か月目の途中までやはり大幅マイナスであったのが、月末日に、ほんの10万円程度ですが、プラスにすることが出来たのです!!

それまで、ニューヨーク支店内のディーリングルーム内で、ドルマルクディーラーとして、通算でプラスの収益に出来た先輩ディーラーはほとんどいないと言われていた中での出来事でした。この出来事をきっかけに、私は、不思議と、自信めいたものが自分の中に生まれてきたのを感じました。

いずれにしても、この僅かながらのプラスの収益のお陰で、あと数か月はディーリングを続けるチャンスを頂戴したわけです。そして、その後、信じる者こそ救われる、の境地で、自分の「竹やり」手段を信じて、収益を残し続けていったのです。まさか、その後、30年後の現在もマーケットに関わる人生を歩めるとは全く予想だにしていませんでした。

思い起こせば、「信じること」を徹底したお陰で、自分の運命を切り拓くことが出来たのです。自分が好きだと思ったことを、ただ続けたいと願望を持ったことは事実ですが、それに加えて、信じ続けることで救われたわけです。

もし、あの時、あれもこれもと救いを求めていたら、自分は「助からなかった」かもしれません。「あれかこれか」で救いを求めたのが良かったのだと痛感しています。そして、その後、紆余曲折があったにせよ、自分のトレードスタイルを長い年月を掛けて築き上げてきたわけです。

ここで私が申し上げたいのは、まずは、何かを信じること、そして、徹底的にやってみることです。そうすれば、今度は、自分自身に対する自信につながっていきます。自分自身を信じることが出来るようになるのです。皆様の将来もきっと、皆様の希望されるようになるはずです。

以上、「信じることの大切さ」について、私のエピソードを交えてお話させて頂きました。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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