「シミュレーション」は、相場の世界では大切な要素です。

一般的に「シミュレーション」と言う言葉は良く使われますが、要するに、考えられる状況を想定して、あれこれ、シナリオ作りをしながら、架空の中で、いろいろと試してみることです。確かに、何事もやろうとする時に、前もって、こうすればどうなるだろう、ああすればどうなるだろうと、前もってシナリオを想定することは重要です。

一般的に、優れた経営者も同様のようです。あれこれ、経営計画を立てて、道筋を頭の中で描くことが出来るかどうかが、優秀な経営者であるための資質と言われます。また、真剣に考える、突き詰めて考える習慣を付けておけば、自然と「シミュレーション」が出来るようになります。

昨今、想像力に欠ける人が増えているとも言われますが、確かに、こうすればああなるかもしれないという、考える習慣が徐々に減退していっている印象はあります。世の中の犯罪に多くの幼児性が見受けられますが、これも想像力の欠如が原因なのかもしれません。

さらに、自分だけでなく、相手にフォーカスすることは大事です。野球に例えてみますと、ピッチャーがいつも自分の得意なボールだけを投げていては、打者に見破られるだけで狙い撃ちされるでしょう。

自分にだけフォーカスするのではなく、打者である相手にフォーカスすることが大事だと言うことです。私達へのヒントとして、ちょうど、打者を相場と捉えても良いかもしれません。もしくは、ピッチャーと打者を入れ替えて、相場に置き換えて考えても良いかもしれません。

要するに、相手である相場にフォーカスすることが大事なわけです。相手である相場の動きを事前にシミュレーションすることによって、自分なりのシナリオを作るのです。このように、相手（相場）の出方を想像、シミュレーションすることはとても大切なのです。

ただ、難しく考える必要はなく、「イメージトレーニング」と言い換えても良いかもしれません。それと、人間は不測の事態には慌ててしまうものです。不測の事態とは、まさに、「相場の急変」と言えます。

このようなリスクシナリオも事前に自分の頭の中で「シミュレーション」しておけば、実際に不測の事態が生じても、対処することが出来るようになります。

いつも相手にフォーカスし、考える習慣を身に付けておけば、最終的に上手く状況を思い描くことで成功への道筋が見えたり、不測の事態への対処を事前に考えることで困難を乗り切ったりすることが出来ると思います。広い意味でのシミュレーションは、実生活の中でも、相場の世界でも、実に有効であることが良く分かるのです。

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