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マーフィーの日々是好日

「一攫千金」の発想はとても危険

人は誰でも簡単に大金を手にしたいと考えるようです。

「○○カ月で○○万円が○○千万円に」と言った類の商材に向かってしまう個人投資家が多数いるのも事実のようです。

1回のトレードで今までの負けを一気に取り戻そうとか言う発想も同じ考えです。決して、自分を追い込んではいけないと思います。

私は、以前、2か月で3千万円以上損失を出された、ある個人投資家のご相談に乗ったことがあります。あるFX会社の社長の友人であり、どうしても相談に乗ってあげて欲しいということで、出向いて行ったわけです。

確かに、その個人投資家は落ち込んでおられました。金額からして、当然と言えば当然です。

どうも、ポンド円相場で大損をしたようでした。(ポンド買いポジションで大きな損失)そして、開口一番、私に聞かれたことが、「ポンド円相場は今後どうなりますか?」ということでした。

彼自身、追い込まれていたので、そのような質問をせざるを得なかったのかもしれません。

印象ですが、どうも、彼の頭の中では、「ポンドは上がるもの、上がるはず〜〜」という固定的な相場観があったようです。先入観や偏見を持つこと、そして、執着心は、トレードの最大の敵だということを改めて実感させられました。

また、FXを「博打」とお考えになる傾向がありましたが、FXは決して「博打」ではないと説明させて頂きました。まるで宝くじを当てるかのように、FXに手を出された印象を受けたほどでした。

こうして、私は、短い時間ではありましたが、しっかりとFXの基本、そして、ポジション管理の方法、さらには、私の相場分析手法を簡単ながらご説明させて頂きました。

そして、「授業料」は高くついたものの、今までのことは全て学びであったとして、全て一からスタートするように、激励し、今後のFX投資に関する要点をお伝えした次第です。

それから何カ月も経って、ようやく心の傷も癒され、少しずつですが着実に収益を上げることが出来るようになったとの便りを頂戴した次第です。

ところで、損失の金額の多寡があるにせよ、まだまだ生涯収益(キャリア・プロフィット)がマイナスの個人投資家も多いことと察します。

しかし、前に申し上げた通り、人間の脳とは、失敗しないと学ばないように出来ているようです。頭で知識として詰め込んでもダメなようです。ですから、セミナーに幾ら参加しようが、実際に自分であれこれ試してみないとトレードで上達はしません。

ぜひ、小さな失敗も「必要」だと認識して一歩一歩進んで行って下さい。「一攫千金」を夢見て博打をしてはいけません。小さな金額でも良いですから、成功体験を積み重ねることです。

私達の脳は、この小さな成功体験が繰り返されることで、どんどん進化していくようです。そして、ある日、気が付くと、なんてトレードが上手になったんだろうと感動されることと思います。

そのためにも、毎日の精進、積み重なる練習が大切だと思います。いきなり「軍資金」を一気に投入して、実践トレードで「一攫千金」を狙うのではなく、地道に学ぶことが大事だと思います。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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