いつも思うこと、それは、「相場は人間修業の場である」ということです。

つまり、相場で収益を上げるということは、相場に勝つことではなく、自分の欲望を如何に上手くコントロールして、自分に打ち克つかということだと言っても過言ではありません。そして、自分に打ち克つことが出来れば、結果として、好結果、つまりは、収益がついてくるというわけです。

確かに、この、人間の欲望が渦巻く相場、市場と言う世界において、一人の人間である「自分」の欲望をうまく操ることは並大抵のことではありません。このことは、相場を少しでも経験した人であれば誰しも納得のいくことだと思います。

相場でポジションを取り、利食いをしようとする時、根こそぎ持って行こうとしないで、ほどほどで満足することを良しとすると言う考え方があります。これは、別の表現で言うと、「頭と尻尾はくれてやれ」となります。さらに、何事にも当てはまる「腹八分目」も同じような意味合いです。

「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」に従っていれば、自動的に、腹八分目の利食いとなるわけですが、同時に、心構えとしても、先ほどのような考え方を念頭に置いておくと自分の精神状態を管理（メンタルコントロール）しやすくなります。

こんな言葉もあります。「ブルは時に儲ける。ベアも時に儲ける。しかし、ホッグ（豚、貪欲漢）は決して儲けない。」と言う格言です。豚さん達には申し訳ない気持ちになりますが、あくまで例え話としては為になる内容です。

また、仏教では、「足るを知る心」と言う表現が引用されることがありますが、これなども、人間の欲をコントロールする上で大事なポイントを教えてくれているようです。

それにしても、頭では分かっていても、同じ過ちを繰り返すのが人間のようです。にもかかわらず、その過ちを自分で認識さえすることが出来れば、その都度、成長しているのだと思います。

まったく「無知」と言う状態ほど情けないものはありません。自分の失敗をその都度認めることで、次なる局面では、一歩でも二歩でも上達していくのだと思います。反省を次に活かすことが出来るかどうかが、魂のレベルの高い人間としての証かもしれません。

と言うわけで、相場は、人間修行の場を与えてくれているとつくづく思うのです。

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