イチロー選手や篠塚氏のように延々と模索し続ける姿勢から学ぶもの
私は、スポーツ鑑賞を趣味にしていますが、特に、野球やサッカーに興味があります。もっとも、どのチームをひいきにしているというよりも、一流のアスリートのプレーを見たいというのが本音です。
ですから、それぞれの選手のプレーのみならず、彼らの生きざまにも大いに興味があります。つまり、一つのことに抜きんでた人間というのは、どの世界にいても共通したものを感じることが出来るからです。そして、色々と学ばせて頂いたものを、たとえ断片的にでも良いので、自分にも取り入れていければなあといつも思っています。
さて、40歳を過ぎてもいまだ大リーグで活躍しているイチロー選手についてです。イチロー選手に関する本は片っ端から購入してきたほど、私の大のお気に入りですが、誰が見ても天才とも言えるバッターでありながら、毎年、打撃フォームを改造してきたのだと知った時、本当に驚きました。
まさに完成したフォームを身に付けているからこそ、今まで大活躍してきたと思えるだけに、まさか、毎年、フォーム改造に臨んでいるなんて想像も出来ませんでした。
そう言えば、元読売巨人軍で常に高打率をマークし、打撃の天才と言われた、篠塚和典氏の言葉も印象的でした。「打撃とは、唯一の理想型を身につけるものではなく、いつまでも模索を続けるもの。だから面白い。その面白さが分かるのは一定のレベル以上の人だけだが。」と。理想の打撃を暗中模索しつつも、その困難と楽しさがあるのだという類の内容でした。
振り返って、イチロー選手や篠塚氏が、いつまでも、あくなき追求を続けながら、理想の打撃の型を探し求める(求めた)プロセスは、相場についても同じことが言えると思いました。
ここで、すこしばかり、相場に当てはめて考察してみたいと思います。
相場が上がったら買う、下がったら売る。このように、自分の内に確固たる「信念」がないと、相場の動きにただついていくだけになります。
ここでいう「信念」とは何か。ある一面から言うと、「ルール」として示現されます。そして、私は、この「ルール」は、先ほどご紹介した野球の打撃の型にも通じるのではないかと考えています。ちょっと強引な例えかもしれませんが、基本的な考え方は同じだと思うのです。
ところで、画期的なルールを自分ひとりで生み出すのは一筋縄ではいきません。では、どうしたら良いのか。先人たちの知恵(格言)を借りるのも一手です。
例えば、「しまったら仕舞え」や「見切り千両」です。これらの言葉は損切りの大切さを教えてくれます。
他に、「もうはまだなり、まだはもうなり」「登り百日、下げ10日」と言う格言があります。これらの言葉は仕掛け時、手仕舞時の心構えを説いてくれています。もっとも、先人達の言葉、格言が頭の中では充分に分かっていても、実際の相場の中では実行出来ないものです。
「もう少し粘ろう、もう少し頑張ろう」と思った結果、損が予想以上に大きくなってしまうことがあります。「まだ上がるはずだ、まだ上がるはずだ」と思っていた相場が翌日に急落してしまい、少しの利益しか残せなかったことを経験したことのある人も多いはずです。
格言は、たまに読むと、実に含蓄のある、為になることを教えてくれるものだと分かります。それは、それとして大いに意味のあることです。しかしながら、問題は、やはり、毎日のトレードです。毎日のトレードでは、「ルール」を持っている人とそうでない人とでは、結果が大いに違ってきます。この「ルール」は出来るだけシンプルである必要があります。シンプルでないと実際の相場では使えないからです。
「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」を皆様にお勧めする理由は以上のことからです。出来るだけ「単純にルール化」したものをお伝えしたいと思っていますし、そうしているつもりです。ただしかし、この「ルール」はシステムトレードのような厳格なものではありません。その意味で、私の言う「ルール」は「恣意的なルール」と言っても良いかもしれません。
もっとも、恣意的な判断を伴うからこそ、「最強のルール」になると私は思っています。もっとも、「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」によるトレードルールは極力曖昧な判断は排除するようにしています。それでも、時に、恣意的な判断を必要とする場面が訪れます。
そもそも、私達人間は、過去の経験を糧とし、多くの学びをします。学びをし、研究するからこそ、毎日を意義あるものと感じ、充実感があるのだと思います。私は、「スパンモデル」、「スーパーボリンジャー」以外に、「時間分析」を相場分析、トレードの柱としていますが、「時間分析」は多分に経験と熟練を要します。そして、さらなる完成を目指して、研究も必要とします。
より理想型の「ルール」を探し求めて、暗中模索するのは、野球選手が自らの理想の打撃フォームを身につける過程ともつながって連想されます。そう思うと、自分ももっと頑張らねばと心底から思い、勇気を頂戴出来るのです。分野こそ違いこそすれ、何をやっても、根っこの部分は繋がっていると思えるのです。そして、私は、「コーチング」を軸にして皆様のお役に立てればと思っている次第です。
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