相場分析の大きな柱は「テクニカル分析」
「中長期はファンダメンタルズ分析で、短期はテクニカル分析で」というお考えの投資家の方が予想以上に世の中にはいらっしゃるようです。
私は、そういう考えの根拠はいったい何だろうと不思議に思ってしまうのですが、どうも偏見を伴った「一般常識」化している印象すらあります。恐らく、世に出回っている多くの為替指南書がそういった内容の解説を多く含んでいるのが一つの理由かもしれません。
私は為替相場の世界に入ったのは1984年でしたが、当時、テクニカル分析と言えば、移動平均線が広く知れ渡っていたぐらいで、その他のチャート分析は、英文でしか手に入りにくい状況でした。残念ながら、私の場合は「一目均衡表」に出会うきっかけはまだ当分先のことでした。また、「酒田五法」と言う日本古来のローソク足分析の存在は知ってはいましたが、チャート全般的な分析というわけでもなく、やはり抵抗感を感じていたのです。
そして、ニューヨークに駐在していた当時に、先輩から英文で書かれたテクニカル分析の本を紹介されました。
「TECHINICAL ANALYSIS OF THE FUTURES MARKETS」(John J. Murphy)という本でした。
私は、その体系だった内容は実に素晴らしいと感動しました。
そして、ニューヨーク支店の副支店長でもあるディーリングルームのボスが、せっかくなので、皆で日本語で訳そうではないかと提案、私達は仕事の合間を縫って翻訳に励みました。一時は日本で出版をと言う話にもなったのですが、当時の日本興業銀行(今の、みずほ銀行)に先を越され、「先物市場のテクニカル分析」と言う書籍名で1990年に金融財政事情研究会から発売になったのです。いずれにしましても、本格的なテクニカル分析の指南書が初めて日本語で出現したことで、実に画期的なことではありました。
私は、相場は、ファンダメンタルズ要因も含めた全ての要因を自らの価格に織り込んでいくと考えており、テクニカル分析こそ、相場分析の柱であると思っています。また、相場の動きの背景を分析する上では、確かに「ファンダメンタルズ分析」を避けて通るわけにはいかないのも当然です。
もっとも、私達は投資家であり、決して相場の評論家ではありません。そのため、実際のマーケットでしかるべき時に売買する為の実践的な判断を必要とするわけです。この点に関して、先ほど紹介した書籍の著者であるJohn Murphy氏は以下のように書いています。
「テクニカル分析は、変化の原因よりもむしろ最初からその変化自体に注目することにより、ファンダメンタルズ分析の省略を可能とするのである。さらにこの考えを進めれば、チャート上の動きこそ、実はファンダメンタルズの先行指標であるという重要な結論に到達する。」
この最後の部分の「ファンダメンタルズの先行指標である」というくだりは、まったくもって深遠な意味合いが込められていると私は理解しています。ということで、私はやはり相場分析の大きな柱は、やはりテクニカル分析であると考えているのです。
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