衝動的な売買は危険です
人は時として衝動的に売買したくなるものです。特に、相場が全く予想外の動きをしている時、思考があまり働かなくなってしまい、狼狽的にトレードしてしまうことが起こります。
これは実に危険な行為です。いわば「博打」に近いと言えましょう。ある人は、まるでスリルとサスペンスを楽しんでいるかのようです。収益を上げることが目的のはずのトレードにおいて、別の目的、つまり、ただスリル感を楽しむことに向かっているかのようです。
もっとも、本人はそんなつもりはなく、収益を上げることを当然の目的としてマーケットに入っていると思っています。ただ、そこには「思い上がり」があり、まるで相場の先を読めるかのような錯覚に陥っています。
マーケットに入り、トレードを行うに当たっての正しいアプローチは「シナリオ」を持つことです。どうなればどうする、こうなればこうする、と言った風に、事前に「トレードプラン」を考えておくことが大事です。
もちろん、自分のトレード手法が確立している人は、瞬間ごとに、その手法に従うだけですから、それほど事前のプラス作りは必要ないかもしれません。それでも、ポジション造成に当り、今この時点でのこの判断に従って、こういうポジションを持つけれども、今後、こうなればこうすると言ったような簡単なシナリオがあった方が、より小難、無難なトレードが出来るようになります。
そうすることで、衝動的なトレードを行わないように自己防衛することが出来るわけです。人間というのは実に弱いもので、普段はそうはならないと思っていても、いざ、その場面に出くわすと、事前に描いていた行動が取れないものです。
この辺りの人間の不可解な行動については、近年、「行動経済学」等で、証明されてきています。ただ、このように行動してしまう背景を知っておくことは為にはなりますが、実際のトレードで生かされないと意味がありません。
そう言う意味でも、日頃からシナリオ作り、トレードプラン作りを心がけておくと、ポジションを持ってマーケットに入っている時の精神状態も安定し、いざという時の行動も正しく、そして、機敏に起こせるようになると思います。
とにかく、人間というのは弱いものだという認識をして、事前に先手を打っていくスタンス、心構えが大切だと思います。
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