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マーフィーの日々是好日

相場は巨大モンスターです

相場は生き物です。従って、相場には意志があります。そして、この相場の意志は絶対的なものであり、逆らうことが出来ません。こちらが相場に対して征しようとするものなら、思いっきり反抗されます。すなわち、相場の意志が勝ることになり、こちらが力負けします。

相場操縦することは誰にも出来ません。ここでは、株式市場などで、個別銘柄を巡って仕手戦が行われるケースを例に挙げることはあまり意味がありません。

何故なら、私達が相手にしている外国為替市場(FX)や株価指数先物市場は、そのマーケットの巨大さ故に、それを操縦しようとするものなら、相場の餌食になるのが目に見えているからです。

一般的に、欧米の大手ヘッジファンドが相場を操作しているという話が聞こえてくることはあります。しかしながら、現実問題、相場を牛耳ることが出来ると考えてトレードしているヘッジファンドなど皆無に近いと思います。

過去、無数とも言えるヘッジファンドが出現しては消えていきました。ノーベル賞受賞者を擁して最高レベルの運用技術を駆使していたと思われた大手ヘッジファンドも大損し、撤退しました。結局のところ、相場を牛耳ることが出来ると考えること自体、荒唐無稽と言えるのだと思います。

従って、私達が相場を相手にしてとるべき態度は、まずは、相手である相場が巨大な生き物(モンスター)であることを認めることです。この厳然たる事実を認めた上で、この手強い相手と格闘するのではなく、仲良くなることです。

もちろん、仲良くする目的は、相手である相場から収益を頂戴する為です。その為、もし、収益を欲しくなければ、相場と仲良くする必要はありません。

そして、相場と仲良くすると言っても、相手である相場は自分の意志がある為、こちらに合わせてくれることは決してありません。こちらの都合などおかまいなしです。

尚、こちらの都合の中には、私達の置かれたトレード環境、つまり、トレード可能時間、資金量、リスク許容度、各人の性格等々があります。

その為、相手と仲良くすることの意味は、こちらが相手に合わせる以外に方法はないということになります。相手が変わらない以上、こちらが変化するしか手立てはないということです。それが嫌なら、この巨大生き物(モンスター)とは付き合わない方が身の為だと思います。

相手である相場が常に主体であり、こちらである私達は常に従属しているということであり、相手である相場は自分の都合でどんどん動いていきますから、こちらが相手に合わせることの重要性を知ることから、トレードがスタートするのだと思うのです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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